質疑応答では、記者団からいくつかの質問があがりました。
ベンチャー企業とどう付き合っていく?
KDDI DIGITAL GATEにおけるベンチャー企業との共創の在り方について聞かれると、高橋氏は「大企業がボリュームの小さなベンチャーに投資をするとき、すぐに大きなシナジーは得られない。そこで私たちは、まずベンチャーを大きくすることを考える。KDDIのことは放っておいて良いから大きくなりなさい、その過程でKDDIのアセットはフルに使って良い、と伝える。これがボクたちが目指すオープンイノベーションファンドで、KDDIグループに入るメリットとなる」と回答しました。
いまの課題と脅威に感じるものは?
いま見えている状況と、脅威に感じているものはとの質問には「足元では、MVNOへの顧客流出が大きな課題だった。ピタットプラン、フラットプランが流出の抑止に効いている。新プランの契約者数は3月末で650万を超えており、700万に迫る勢い。解約率も低下しており、良い傾向だと捉えている。新規利用者の獲得数も見ているが、解約率の低下が大事だと思っている」と説明しました。
採算面での課題はあるか?
採算面で課題はあるのか、との質問には「各事業が利益を生んでいるか気になる。社長となり、社員には"なぜ採算を上げる必要があるのか"を改めて話した。ワクワクを提案し続けること、通信とライフデザインを融合して新しい体験価値を生み出していくこと、これらは利益がないと実現できない。みんなで一生懸命やっていこうと話した」と説明します。
ECサイト「Wowma!」の状況は?
オンラインショップの「Wowma!(ワウマ)」については「単なるECサイトではなく、体験価値の向上を実現する入り口にしていきたい。モノを安く売るだけのサイトにはしない」と同氏。EC市場では、Amazon、Yahoo、楽天が先行していますが、それを踏まえて「Wowmaは後発のサービス。先行する事業者さんとは違う立ち位置で、新しい魅力を出していく。まずは、auユーザーにとってイチバン使いやすいサイトに補強していきたい」と説明。
「au流通経済圏」目標の2兆円までもう少し
そして「au流通経済圏の目標として掲げてきた2兆円超は、すぐに達成できそうなところまできた。年度末には、もう少し上の数字を狙っていく。Wowmaの売上規模としては、今年度末には楽天さんの半分以上にしていきたい」と説明しました。
最後は、auが今後提供するコンテンツサービスについて「すべて自分たちで用意する必要はない。勝負の世界は、上位レイヤーと通信をマージ(融合)して、ハイブリッドで提供するステージに移る。どんな提案ができるか考えているところで、乞うご期待。期待に添えるよう頑張っていきます」と笑顔で締めくくった。