ウォーキングが終わったあと、宿泊宿へ。案内されたのは上山温泉にある「彩花亭時代屋」。時代屋という名前のとおり、いにしえの雰囲気を醸し出す外観だが、清潔感あふれる館内だ。もちろん、この宿はクアオルト構想に協力する施設で、クアオルト膳や温泉を提供している。
早速、夕食をいただいたが、前述したとおりクアオルト膳はカロリーを控えている。夕食の場合、だいたい500~700kcalに抑えてある。このカロリーでは食べ応えがないと感じるかもしれないが、それは大きな間違い。品数が豊富でローストビーフやお刺身も楽しめた。ご飯は雑穀米なのでヘルシー、デザートにフルーツまで提供される。正直、これで低カロリーなのかと疑ってしまうほどのボリュームだ。塩分もかなり抑えめで薄味だったが、かえって素材の味を楽しめた。
温泉でリラックス
夕食後、温泉へ。貸し切り露天風呂付きの部屋もあるらしいのだが、内湯と露天風呂からなる大浴場へ向かった。坪庭を眺めながら入浴でき、リラックスした時間を過ごせた。この日は、お酒を飲み、早めに就寝した。というのも、ある理由があるからだ。
翌朝、5時に起床し、朝風呂へ。そして6時40分に宿のロビーに向かう。それは、クアオルトのプログラムのひとつ、早朝ウォーキングに参加するためだ。案内してくださるのは、時代屋のご主人、冨士重人さん。上山市温泉クアオルト協議会の会長も務める人物だ。6時50分に宿を出ると、そこに多くの方が集まってきた。クアオルト構想に参加するほかの宿からのお客などの集合場所になっており、12~13名の集団になった。
早朝ウォーキングで利用したのは、約2.6kmの葉山コース。温泉街からすぐにアクセスできるコースだ。コースの途中に展望台があり、上山市全体を見下ろせる眺望に優れている点が特徴。早朝なので空気が澄んでおり、爽快感が味わえた。ただ、お気づきの方もいらっしゃるだろうが、実は朝食前だ。空腹という“意外な敵”との戦いもある。ただ、この空腹での早朝ウォーキングが、ある賜物を生み出す。そう、朝食のおいしさが一層きわだつのだ。
その後、宿をあとにし、ヴィンヤード(ブドウ農園)&ワイナリー見学へ。これまで、ワインの記事を数多く書いてきただけに、楽しみがふくらんだ。ワイン生産といえば山梨県や長野県を想像するが、実は神奈川がナンバーワン。ただ、これは輸入ワインおよび原料をボトリングする工場があるからだ。国産ワインということでみれば、山梨県が1位、長野県が2位となる。山形県も5本の指に数えられるほどワイン生産が盛んだ。
残念ながらブドウ栽培の時期ではなかったので、ヴィンヤードにブドウがたわわに実った風景はなかったが、蔵王ウッディファームのワイナリーの見学をさせていただいた。近年、和食が世界文化遺産に登録されたことで、和食に合う日本産ワインの人気が上がっている。ただ、日本でのブドウ生産量は少なく、ワインを大々的に輸出するまでには至っていない。ただそれだけに伸びしろがあると考えられ、将来に期待がかかる。