ThinkPadの2018年モデルがぞくぞくと登場しています。「ThinkPad X280」は、12.5型ディスプレイを搭載したクラムシェルタイプであるThinkPad Xシリーズの新モデルで、ThinkPadシリーズのノートPCで最も小型でモバイルに適したモデルという位置付けになります。
従来モデルのThinkPad X270は、W305×D208.5×H20.3ミリ、重さ約1.4キロと、12型台のディスプレイを搭載したノートPCとしては、競合モデルと比べて厚くて重いボディを採用していました。これは、レノボにおけるThinkPadのコンセプト「企業ユーザーが求める堅牢性、パフォーマンス、セキュリティ、ユーザビリティ、管理性、共通化を実現するため」(2015年2月の製品発表会で当時レノボのThink製品事業部に所属していた土居憲太郎氏の発言より)に必要なサイズでありました。
レノボがThinkPad XやTシリーズで重視していたのが、ビジネスで使う多様な周辺機器に対応するために必要なインタフェースと「雑な」扱いをしても元気に動き続けてくれる頑丈なボディでした。
多様な周辺機器への対応として、古い規格の周辺機器やネットワークを使い続ける企業ユーザーの事情を考慮してD-subや有線LANを本体に搭載し続けました。
大幅に薄型化したボディサイズ、豊富なインタフェース
ThinkPad X280では、この長年にわたって受け継いできたボディデザインを大幅に変更しました。その姿を一言でいえば「12.5型ディスプレイを搭載したThinkPad X1 Carbon」です。ボディ左右前端のラインは、ThinkPad X1 Carbonと同様に、底面に向かって狭めることで視覚的に薄く見える工夫をしています。
見た目だけでなく、ボディサイズもW307.7×D209.8×H17.4mm(タッチパネル非搭載モデル)で重さは約1.13kg(ディスプレイ解像度1920×1080ドットでタッチパネル非搭載モデル) と、ThinkPad X270と比べて、幅で2.2mm、厚さで2.9mm、重さで360g、それぞれ減らしています。
このボディデザイン変更によって、ThinkPad X280ではThinkPad X270で本体に用意していた有線LANコネクタがRJ-45から小型の専用コネクタに変更されました。有線LANケーブルはこの専用コネクタに接続する標準付属のアダプターを利用します。
さらに、電源ジャックも、これまでのUSB Aメス側に似た形状からUSB Power Delivery(USB PD)に対応したUSB Type-Cに変更しています。また、底面に設けていたドッキングステーションとのコネクタを廃止して右側面にあるインタフェースを利用して接続することになりました。これによって薄型化を実現しています。
この方式は2018年1月に登場したThinkPadシリーズで共通で、すべてのモデルでドッキングステーションを共有できるようになりましたが、その一方でこれまで使っていたドッキングステーションを使うことができなくなっています。
このほか、本体に用意したインタフェースは、USB 3.0 Type-Aが2基(うち1基はPowered USB 3.0)、USB Type-Cが2基(DC-in、画像術出力対応。うち1基はThunderbolt 3兼用)、HDMI、マイク/ヘッドフォンコンボジャック、有線LAN拡張コネクタです。このうち、右側面にあるUSB Type-Cの2基と有線LAN拡張コネクタは、新しいドッキングステーションを接続するコネクタと兼用になります。
本体に搭載したインタフェースをThinkPad X270と比較すると、有線LANがなくなったもののUSB 3.0 Type-A は同じ、USB Type-Cは1基増(ただし1基は電源コネクタと兼用)とボディが薄くなったのにあまり変わりありません。
無線接続としては、IEEE 802.11acとBluetooth 4.2、そして、システム構成によってはNFCとLTE-Aに準拠したWANも利用可能です。背面に用意したnanoSIM対応のスロットを用意しています。このスロットはmicroSDメディアカードリーダーも兼ねています。