3階には懐かしい空間があっちにもこっちにも
まず、3階のライフスタイルショップゾーンの注目は、その空間そのものが面白い「HIBIYA CENTRAL MARKET」だろう。クリエイティブディレクター・南貴之氏と老舗書店の有隣堂が出合って生まれたその街のような複合型店舗に一歩足を踏み入れたら、たちまち「懐かしい」という感情を抱くことだろう。
フランスのビンテージ眼鏡がそろう「CONVEX」や、海外の博物館や図書館をイメージした本棚がスペースの壁になった「Library」、"余計なことは一切しない"がデザインコンセプトの「Graphpaper」、レトロ風な看板が印象的なコーヒースタンド&本&日用品&お土産「AND COFFEE ROASTERS」「有隣堂」「FreshService」。
そして、提灯とメニュー表と畳という空間が"帰ってきた"という気持ちにさせてくれるのが「一角」だ。それらの店舗にも増して、「理容 ヒビヤ」が与えてくれる懐かしさは群を抜いている。希少な器具をそろえているのはもちろん、『ゴルゴ13』をそろえているところもなんだかにくい。
さらに3階を見てみると、ゴールドウインが手掛ける新業態ショップ「NEUTRALWORKS. HIBIYA」などもある。"スポーツライフスタイルで、24時間を過ごしたい人たちのためのココロとカラダをニュートラルに整える"をコンセプトに、デザインや機能性の高い商品を提案してくれる。また、南青山に本店を構え、独自の"南欧テイスト"を発信するインテリアブティック「Tempo Hibiya」は、ただ眺めているだけでもテンションが上がってくる。
特別なひとときは3階で
プレミアムレストランゾーンには、そのネーミング通り、空間設計やコンセプトがワンランク上のひとときを演出してくれる店舗がそろう。例えば、パリで注目の中山豊光シェフが手掛ける「TOYO」の日本初出店「Restaurant TOYO Tokyo」は、フレンチでは珍しいカウンターも据え、懐石料理の美意識の世界観をもつ、西洋と東洋の融合を感じさせる究極のフレンチを提供する。
音楽がある時間を心ゆくまで楽しみたいなら、「Billboard cafe & dining」でグルメとともにハイエンドオーディオたちが膨らませる心地よい音楽を味わうことをオススメしたい。壁一面約200枚のレコードで埋め尽くされたエントランスを抜けると、どの席に座ってもバランスのいい音が楽しめる音楽空間が広がっている。ハイエンドオーディオを備えた個室(利用料:税込2,160円/室)では、自分好みのプレイリストを選んで聞くことができる。
他にも、開業年より2年連続ミシュランガイド・ビブグルマンに掲載の立ち呑み割烹「三ぶん」、そしてその隣には、粋な器で楽しめる椅子席の酒亭「三分亭」が店を構える。酒棚をうめつくす希少な銘酒と圧巻の12mカウンターでシグネチャーカクテルや季節のフルーツカクテルも楽しめる「STAR BAR」は、オーセンティックバー「World's Best Bar」にランクインするSTAR BARの旗艦店であり、商業施設初出店となる。
映画・演劇の街が誇る4,5階の映画空間
4,5階は「TOHOシネマズ 日比谷」のフロアとなる。東宝グループ創業の地において日比谷の映画・演劇の歴史を継承しながら、東京宝塚劇場とシアタークリエといった演劇の劇場と一体になり、隣接する東京宝塚ビル内の2スクリーンを加えることで、全13スクリーン約2,800席を誇る都心最大級のシネマコンプレックスとして展開する。
究極のサウンドおよび臨場感に加え、パワーと精密さでさらにリアルな体験をもたらす「IMAXデジタルシアター」や、独自規格による巨大スクリーン「TCX」などという次世代技術を搭載。さらに、革製のリクライニングシートでより寛ぎながら映画をゆったり楽しめる「プレミア ラグジュアリー シート」などといったプレミアムシートも展開する。
6階は、皇居外苑・日比谷公園から続く緑を取り込んだパークビューガーデンが魅力の空間となる。このビューをグルメとともに楽しめるのが、レストラン「DRAWING HOUSE OF HIBIYA」。"日本のテロワール(土壌や気候)"がコンセプトのレストランで、季節ごとに2つの土地に集点をあて、日本の四季を表現した料理を提供する。
また、カフェ「Q CAFE by RoyalGarden Cafe」には予約制のワークスペース(時間課金テーブル)も備えており、仕事をしながら食事が楽しめるほか、ミーティングやワークショップ、個人作業にも使うことができる。モーニングも「スープセット」(税込500円/本日のスープ、トースト、サラダ、ドリンク)とお手軽価格なのもうれしい。さらに7階には、「日本料理 龍吟」も展開している。
この東京ミッドタウン日比谷に先駆け、向かいの日比谷シャンテも、全3期にわたって行ってきた開業以来最大規模のリニューアルが完成し、3月23日にグランドオープンを迎えた。12店舗のリニューアルし、30周年を迎えた日比谷シャンテに新しい風を吹き込む。続いては、新しい日比谷シャンテを紹介しよう。