ATOKマンスリーレポートは、「キータイプの効率」「タイプミスの傾向」「入力文の傾向」を、1カ月単位で可視化するツールです。残念ながら、ATOK 2018正式版を使い始めてから1週間程度では、詳細な分析結果は表示されませんでした。筆者はデスクトップPCと2in1 PCにATOK 2018をインストールしていますが、計測対象はPCごとに異なります。はじめは「ATOKリフレッシュナビ」の焼き直し程度と軽んじていましたが、普段の入力傾向を含めて把握できるのは実に面白く感じています。

  • 「ATOK 2018」レビュー

    月をまたぐと自動的に現れる「ATOKマンスリーレポート」

  • 「ATOK 2018」レビュー

    打鍵数と入力文字数を示す「キータイプの効率」。英字を入力することが多いせいか、効率性はあまり高くないようです

  • 「ATOK 2018」レビュー

    こちらは「タイムミスの傾向」。「N」キーや「U」キーの打ち飛ばしが多いことが分かります

  • 「ATOK 2018」レビュー

    「入力文の傾向」では漢字、ひらがな、カタカナの割合が示されます。ここの英字が加わると、より正確な情報になるでしょう

入力・変換という観点では、「ATOKディープコアエンジン」の性能向上も特筆すべきポイントです。通常、日本語入力システムは単語変換などの学習結果によって、ユーザーが意図する、またはよく使う変換候補が上位に表示されるようになります。が、この学習結果は、別の場面に影響を及ぼすことがあります。

ATOK 2018のATOKディープコアエンジンでは、ATOKが提示する文節区切り位置の決定に、同音語選択の学習結果が影響する点を改善しました。例えば「その後サイト内で公開します」という文章を入力する場合、以前のATOKは「その」「五歳と」と異なる文節区切りで変換していましたが、修正済みATOKディープコアエンジンは、「その後」「サイト」「内で」「公開します」と文節区切りを行って変換します。

わずかな変更点ですが、日々文章を入力するユーザーにとっては、興味深い改善となるでしょう。このほかにも「顕性」「NISA」など時事用語を取り込むなど、変換辞書の用語を充実させています。