5Gの商用サービスを開始する上では、我々がネットワークを利用するために必要な端末の準備も欠かせません。さすがに今回は、5Gに対応したスマートフォンを見ることはまだできませんでしたが、端末開発に向けた準備は着実に進んでいるようです。
そのことを象徴しているのが、5Gの通信をするために必要な「モデムチップ」の開発の進展状況です。既にインテルなどが5Gの通信に必要なモデムチップの開発を明らかにしていますが、今回のイベントに合わせてファーウェイも、5Gモデムを開発したことを明らかにしています。
またファーウェイはそれを搭載したデバイスとして、国内であれば「Softbank Air」に代表される、無線ネットワークを自宅の固定ブロードバンド回線代わりに用いる「CPE」(Customer Premises Equipment)の5G版を提供することも明らかにしました。デバイスとネットワークの準備が同時に整っていることをアピールする狙いがあるようです。
ちなみにCPE向けの5Gモデムチップはサムスン電子なども開発しており、平昌五輪で使用した5Gタブレットにはそのモデムチップが搭載されているほか、そのチップを用いたCPEを米国のキャリアに提供するとしています。
ですが今回の展示でより注目されるのは、クアルコムも既に発表している5G用のモデムチップ「Snapdragon X50」でしょう。というのもX50は、最初からスマートフォンに搭載することを前提に開発されており、なおかつ3.5GHz帯などのLTEと同じ周波数帯域だけでなく、5Gの高速化に欠かせない、6Gbps以上という非常に高い周波数帯にも最初から対応させています。X50はソニーモバイルコミュニケーションズやシャープなど多くの端末メーカーが採用を表明していることから、商用化の暁にはX50を搭載したスマートフォンが多数登場することになるかもしれません。