モニター募集は応募多数
あれから1年。ついに両社のコラボによる実証実験が始まることになった。それが「イージーライド」である。「無人運転車両を活用した交通サービス」と“無人”という言葉を入れたところや、イージーライドという名前の付け方から、DeNAのセンスを感じる。
実証の場所は日産の本拠地である神奈川県横浜市のみなとみらい地区周辺で、コースは日産グローバル本社と横浜ワールドポーターズの間となっており、間に2カ所のステーションがある。2台の車両が用意され、参加者は昨年12月からイージーライド公式サイトで募集した一般モニター約300組。1,500通以上の応募から抽選で選んだという。
スタートは3月5日だが、その前に報道関係者向けの発表会および体験取材会が開かれたので、後者に参加した印象を交えながら内容をお伝えしよう。
コネクテッド技術でサービスも多彩に
イージーライドを一言でいえば、自動運転とコネクテッドカーの融合といえる。自動運転技術は日産、コネクテッド技術はDeNAが主に担当した。自動運転ライドシェアの予約や目的地設定だけでなく、移動中には周辺のレストランのクーポン取得なども行えるという。
まずはモニター参加者に提供される専用モバイルアプリを起動。ここで目的地の設定を行うが、地名や施設名だけでなく、「ハンバーガーが食べたい」などの検索もできる。入力は音声でも可能。リストの中からお店を選ぶと、最寄りのステーションまで乗せて行ってくれる。
ほどなくして車両が到着したとの情報が入り、外に出ると、日産の電気自動車「リーフ」をベースとした実験車両がやって来た。後席に乗り込むと、目の前に装着されたタブレット端末のディスプレイが、まずはシートベルトの着用を促す。ベルトを着用しなければ発進しないシステムにすれば安全性が高まるだろう。
今回はまだ(?)運転席にスタッフが乗っていたが、彼の両手はステアリングの近くで待機していて操舵はしない。足もペダルを踏んではいない。しかし、車両は日産本社のエントランスから公道に出ると、赤信号で止まり、青に変わると発進し、交差点では対向車が途切れたところで右折した。
終点のワールドポーターズ近くに路上駐車の車両があったときだけ手動運転に切り替えたが、ここも自動制御は可能とのこと。筆者が公道で自動運転車に乗るのは3度目だが、過去2回以上に安心して過ごすことができた。