ソフトバンクが考える社食の姿
前述したようにさまざまなイベントにも利用されており、リニューアル後の評判も上々という社員食堂だが、多数の社員からの要求に継続して応えていくというのも並大抵の苦労ではないはずだ。総務本部としては、社員食堂とはどうあるべきだと考えているのだろうか?
「食事が美味しいということは、仕事をする環境への満足度に直結していると思います。ただ、100円でも高いという人もいれば、もっと高くしてでも美味しくしてほしいという声もあるように、食事に対する要求はひとりひとり違うので、ある意味答えがない永遠の課題です。できるだけ多くの声に応えて、社員の健康や福利厚生を社外に誇れるものにし、会社の価値を高めたいと考えています」(佐藤氏)
最近は社員食堂が、ただ腹を満たすだけでなく、社員の健康管理の場としても注目されている。福利厚生が手厚い企業は離職率も下がり、業務全体が円滑に進むひとつの指針となるはずだ。ソフトバンクというと、孫会長のキャラクターもあってか、目標に向かって突き進むモーレツ型の企業という印象が強いが、こうした見えにくい部分でのバックアップがあってこその好調ということなのだろう。
もちろん、自社ビルでなければ契約上、導入が難しいなど、すべての企業が社員食堂を準備できる環境にはないだろう。社員食堂以外で多くの企業にとって参考になると思われる点としては、ソフトバンクの総務本部が進めているアプリ化が挙げられる。プッシュ化で死蔵される情報が少なくなるなど、社員への情報提供手段としては非常に有効だろう。大きな組織になればなるほど、有効性は高まりそうだ。