食堂の利用促進にアプリを活用
社員食堂の運営は、ソフトバンクの総務本部が担当している。社食はこのビルにソフトバンクが引っ越してきて間もない2005年にオープン、2016年に食堂運営会社を変更し、現在の姿になった。どのような社食にするべきか、他社の社員食堂を十数社見学するなど、試行錯誤を重ねながら進めてきたという。
調理やメニューの決定といった現場でのオペレーションは外部の委託業者(中央フードサービス)が担当しているが、社内との調整や全体のディレクションは総務本部がハンドリングする。ソフトバンクから社食運営のための補助金なども特に出ていないとのことで、おいしい食事をリーズナブルに提供するべく、業者と協力してトライ&エラーを繰り返しながら取り組んでいるのだ。
こうした取り組みは社員食堂の有効活用にも向けられている。イベント会場としても利用されており、これまでに近隣企業の人事の交流会など、社外の人を招いてのイベントも開催されたそうだ。また社員が考えたメニューを導入したり、ネパール人シェフが作る本格カレーを提供するなど、さまざまな催しも開催され、利用者の楽しみを喚起する取り組みが続けられている。
傍目には十分賑わっているように見える社員食堂だが、さらなる利用促進の仕掛けとして社内向けアプリの活用も行なっているのがユニークなポイントだ。
このアプリは2017年10月にリリースされたもので、アプリからは社員食堂のメニューを見たり、メニューの売り切れ状況や、おおまかな混雑の状況も確認できる。また、前述した社員証決済したものについては社員証に紐づけられて記録が残り、あとからメニュー名やカロリー、成分などを確認することもできる。
「社員向け情報はイントラネットを通じて配信されてきましたが、毎回、自主的にアクセスする必要があり、本当に読んでほしい情報が読み飛ばされてしまうことがありました。これがアプリになることで、重要なメッセージは通知として伝えることができるので、読んでもらえる機会が圧倒的に増えました」(総務本部・佐藤俊輔さん)。社員食堂の利用促進だけでなく、総務からの連絡も受信しやすくなるということで、一石二鳥なわけだ。
現在は引き続きアプリ利用の浸透に取り組んでいる。また、社内アンケートや食事を通じた健康データの取得とメニューのリコメンド化など、IT化によってチャレンジしてみたいアイディアはたくさんあるという。