では、実際にどのような実験が行われているのか。実証実験が行われたファミリーマート 経済産業省店へ伺い、取り組みの様子を調査してきた。

読み取り機をかざすだけで検品が完了

店内に足を踏み入れると、シールのようなものが付いている商品が目に入ってくる。この白いシールが電子タグ。今回の実験では商品すべてではなく、一部にのみ電子タグが取り付けられているようだ。

  • 実験で使われた電子タグ

    実験で使われた電子タグ

  • 商品陳列の様子

    商品陳列の様子

電子タグには「SGTIN」と呼ばれる識別番号が割り振られており、店舗では個々の商品について「出荷した」「入荷した」「売れた」といったステータスや「消費期限」などの情報を管理している。

無線によってそれらの識別番号を一括で読み取れるので、従来であれば店舗スタッフが1つずつ手作業でチェックしていた検品を、数秒で行うことができるのだ。検品された商品はタブレットですぐに確認できるため、棚卸作業などは大幅に効率化するのではないだろうか。

  • 検品の様子。棚の前で読み取り機を持ち、上から縦にスーっと降ろすだけで検品が完了した

    検品の様子。棚の前で読み取り機を持ち、スーっと上から縦に降ろすだけで検品が完了した

  • 検品された商品はすぐに反映され、タブレットなどの端末で確認できる

    検品された商品はすぐに反映され、タブレットなどの端末で確認できる

カゴごと商品を読み取ってお会計

電子タグが貼り付けられた商品のみであれば、専用の無人レジで会計を済ませることが可能だ。ただし、電子タグの付いていない商品と同時に会計をする場合は、一般のレジに並ぶ必要がある。

  • 専用のセルフレジ

    専用のセルフレジ

購入する商品が決まったら、カゴごと専用レジの読み取りエリアに乗せるだけ。電子タグの情報が読み取られ、商品名と合計金額が表示されるので、間違いなければ支払い画面へと進む。

  • 会計の際はカゴごとレジに置くだけで、商品を読み取り、計算してくれる

    会計の際はカゴごとレジに置くだけで、商品を読み取り、計算してくれる

なお、支払いは特定の電子マネーやクレジットカードのみ。現金での支払いはできない。