2018年のCESでもやはり注目度が高かったのが自動運転自動車です。AutomotiveやAutonomousと呼ばれる技術の実用化が見えてきたのが数年前のこと。2017年はまだ駐車場内で行われていたドライバーレスカーの試乗会の多くが、今年はラスベガス市内を走るようになり、中でも配車サービスでUberを追い上げているLyftが、自動運転タクシーによるサービスのデモを実施したことが大きな話題になりました。
決まったルートを巡回するのではなく、Lyftのアプリで指定した場所へ送ってくれる(ただし片道)というのが大きなポイント。BMWをベースにした自動運転タクシーを開発したAptivによると、昨年から本格的な試験運用に取り組んでいて、2019年には実用化を目指すと発表しています。
完全に無人。ドライバー席のない自動運転も実用化が進む
さらに今年は、ドライバー席のないコミューター型の自動車も数多く会場で見かけました。コミュニティバスぐらいのコンパクトなサイズをした、100%電気で走る自動運転自動車で、人や荷物を乗せたり、移動店舗として利用できるのが特徴です。
決められたルートを巡回するタイプはすでに実用化が始まっていて、高齢化や過疎化が進む地域での導入が期待されています。Lyftの自動タクシーのような使い方ももちろん可能で、特に都心部では渋滞や駐車場の問題を解消するために不可欠と言われ、BOSCHやフォードらがラスベガスやサンフランシスコで実証実験をはじめることを発表しています。
自動運転自動車は、人が運転しなくても従来のままドライバー席が残っているタイプと、ドライバーという存在自体の概念を無くすタイプの大きく2つがあります。自動車メーカーの多くは前者の考えで自動運転を開発してきたのですが、この2018年は、数年前からレベル5といわれる完全自動運転が可能な自動車の開発を進めてきたトヨタが、「e-Palette」と名付けられた、完全無人のコミューター型自動車のコンセプトカーを発表したのも大きなインパクトがあり、自動運転の実用化が一気に進む可能性も見えてきました。e-Paletteは、サービス事業者とのパートナーシップを前提に、都市の一機能として自動車(モビリティ)を位置づけた点も見逃せません。