最後にスペックと簡単なベンチマークをまとめます。
Spectre 13のラインナップは、性能を抑えて値頃感を出したスタンダードモデルと、性能に妥協しないパフォーマンスモデルの2つ。今回はスタンダードモデルを試用しました。比較に用いたのは、筆者の使用している従来モデル(上位機のパフォーマンスモデル)です。約1年利用している環境を、そのままベンチマークしている点にご注意ください。両機種ともWindows 10 Creaters Updateを適用した環境で、AC電源に接続した状態でベンチマークを実行しました。
新Spectre 13 スタンダードモデル |
新Spectre 13 パフォーマンスモデル |
Spectre 13 2017年パフォーマンスモデル |
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CPU | Core i5-8250U 1.60~3.40GHz |
Core i7-8550U 1.80~4.00GHz |
Core i7-7500U 2.70~3.50GHz |
メモリ | 8GB | 16GB | 8GB |
SSD | 256GB(PCIe・NVMe・M.2) | 512GB(PCIe・NVMe・M.2) | 512GB(PCIe・NVMe・M.2) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 620 | Intel HD Graphics 620 | Intel HD Graphics 520 |
主なコアスペックは上の表ですが、新型スタンダードモデルの液晶はIPS方式で、画面サイズが13.3インチワイドの光沢タイプ、解像度が1,920×1,080ドットのフルHD、タッチ対応です。
通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LANと、Bluetooth 4.2を備えています。OSはWidnows 10 Proで、Creaters Updateは未適用の状態でした。本体サイズはW308×D225×H10.4~12.5mm、重量は1.11kg。バッテリー駆動時間は約11時間15分となっています。
ちなみに、従来モデルは本体サイズが約325×229×10.4~11.2mm。重さは1.11kg。バッテリー駆動時間は約10時間。スペック上のバッテリー駆動時間は約1時間15分伸びていることになります。
ベンチマークは、「Windowsエクスペリエンスインデックス」(WinSat.exe)と「CrystalDiskMark 6.0.0 x64」の2つを計測しました。Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは「ExperienceIndexOK 1.34」でチェックしています。
Windowsエクスペリエンスインデックス(WinSat.exe)
まずは、Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。「グラフィックス」が6.6とやや振るいませんが、「プロセッサ」や「メモリ(RMA)」は9.0と申し分ありません。従来モデルと比較すると「プロセッサ」と「メモリ(RMA)」が伸びています。クアッドコアの第8世代Intel Core i5は、デュアルコアの第7世代Intel Core i7よりも評価が高くなることがわかります。なお、「ゲーム用グラフィックス」は、Windows 10では計測されない項目なので、9.9というスコアは意味のないものです。
CrystalDiskMark
ストレージ周りの性能を計測するCrystalDiskMarkでは、PCIe・NVMe・M.2接続のSSD性能が発揮された結果となっています。シーケンシャルアクセス(Seq Q32T1、4KiB Q8T8)、ランダムアクセス(4KiB Q32T1、4KiB Q1T1)、いずれも悪くない数字で、HDDに比べればまさしく爆速。
ただし、パフォーマンスモデルであればさらに高い数字を期待できたと思われます。なぜなら、パフォーマンスモデルを使用した従来モデルでは、全項目がより高い数字になったからです。通常、SSDは容量が大きくなるとパフォーマンスも高くなる傾向があります。CrystalDiskMarkに関しては、パフォーマンスモデルとスタンダードモデルの差が出たようです。といっても、体感的にはまずわからないですが……。以下の表は、どちらも3回計測した平均値です。
Spectre 13新型スタンダードモデル・CrystalDiskMark(3回の平均) | ||
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
Seq Q32T1 | 1666.0 | 1240.6 |
4KiB Q8T8 | 1073.7 | 750.7 |
4KiB Q32T1 | 471.4 | 376.2 |
4KiB Q1T1 | 44.2 | 136.3 |
Spectre 13 従来パフォーマンスモデル・CrystalDiskMark(3回の平均) | ||
Read[MB/s] | Write[MB/s] | |
Seq Q32T1 | 1681.5 | 1572.5 |
4KiB Q8T8 | 1081.0 | 901.3 |
4KiB Q32T1 | 502.7 | 415.2 |
4KiB Q1T1 | 44.7 | 152.1 |
できれば、パフォーマンスモデルにそろえて計測してみたかったところですが、新モデルはCPU性能が上がったことで、アプリケーションの処理速度が向上したと考えてよいでしょう。一年前の上位機と同じかそれ以上の性能が、スタンダードモデルとして割安感を持って購入できるともいえます。
大事に使いたくなる
パソコンは、日々大事に使っていると愛着がわき、設定などいろいろな部分が自分仕様になって使いやすくなるものです。言い換えれば、普段どれだけ大事に使えるかが、快適に使いこなすポイント。必要十分な性能に、大事に使いたくなる上質さを備えた新しいSpectre 13は、パフォーマンスも見た目も重要と考える人にとって、後悔しない選択肢になるはずです。
いやもう、本当に、貸出機を返したくなかったです。編集長サマ、次は1年くらいかけて評価するレビューにしませんか? (編集長:そこまで気に入ったなら買いましょうよ!!)