品質管理においては、工程管理システム「SPCS(スマートプロセスコントロールシステム)」の存在も大きい。これは、キーボードの組立工程に2006年から導入されているもので、現場の声を反映し、FCM独自の管理システムとして開発し、運用している。

SPCSでは、「いつ、だれが、なにを生産した」ということが1台単位で管理できる仕組みとなっており、生産ラインでは、検査工程などでこの情報が入力され、製品品質の維持や従業員のスキル向上などに活用している。そして、これはグループ全体の品質向上にもつながっている。

ノートPCの最終組立を行う島根富士通で品質管理を行っている島根富士通 品質保証部の足立遥氏は、「完成品の品質管理を行う上でも、FCMのSPCSは有効に活用している。品質向上の観点から見て、SPCSは、ノートPC生産のバリューチェーンの強みのひとつになっている」と語る。

  • 島根富士通 品質保証部の足立遥氏

島根富士通と富士通コンポーネントは、週1回のペースで定例会議を開催しており、情報を共有し、生産の効率化や品質管理の改善を通じて、品質向上に生かしている。これによって、富士通の開発部門と島根富士通、富士通コンポーネント、そしてFCMとの連携が行われているというわけだ。

これが、LIFEBOOK UH75/B3のキーボードの品質向上にもつながっている。

柳澤社長は、「富士通コンポーネントには、国内外にリレー、コネクター、キーボード、タッチバネル、無線モジュール、サーマルプリンタなどの生産拠点を持つが、品質や生産効率性などにおいて、FCMがグループナンバーワンの生産拠点であることを目指す」とする。