2017年は湖池屋にとって悲喜こもごもな一年だった。新生・湖池屋の看板商品として2月に市場投入した「PRIDE POTATO」が大ヒットしたものの、原料のジャガイモが不足し、休売に追い込まれた商品が多数出た。あらから1年、湖池屋は新たな一手を打ちポテチを売り出す。

  • 写真右:小池孝会長、写真左:マーケティング本部 マーケティング部部長 柴田大祐氏

ポテチショックから復活した今

ポテチショックを覚えているだろうか。そもそもの始まりは2016年夏に北海道を襲った異常気象、台風襲来に伴う大雨の影響でジャガイモの収穫量が減少、ポテトチップスの生産に大きな影響を与えた一件だ。

湖池屋も甚大な影響を受けた。工場のある北海道・富良野市にある生産拠点は川の氾濫により、3カ月停止。生産設備の入れ替えも要した。

本格的な影響は2017年に入ってからだった。原料不足によりポテチの生産に影響が出始めると、主力商品に絞っての販売となった。新生・湖池屋の看板商品「PRIDE POTATO」の販売は続いたが、業績を左右する大きなインパクトとなった。

  • ポテチショックで販売数量は一時激減

そして今、湖池屋は復活を宣言。2017年、ジャガイモの生産量が増加。良質なジャガイモが多数調達できたという。北海道ほか、九州エリアで新たな調達先を確保し、前轍を踏まぬ対策も講じた。そして、ようやく攻めに入ったというわけだ。

全ブランド増量へ

湖池屋は「PRIDE POTATO」を軸に、ポテトチップス全ブランドの販売にテコ入れしていく考えだ。

1つ目の施策として「湖池屋 じゃがいも復活感謝祭」と命名した増量キャンーペーンを展開する。「PRIDE POTATO」「ポテトチップス のり塩」ほか「カラム―チョ」など2月以降順次、増量したものが販売される。

  • 全ブランド増量を図る

ジャガイモの収穫が良好で製造環境が整ったことから「感謝の気持ちを込めて」が表向きな意味合いだが、小池孝会長によると、増量を行なうことで原料確保を確かなものとし、作付け面積を増やせるように仕向けたい気持ちもあるという。

いずれにせよ、増量分は湖池屋にとって利益の減少につながる。それでも実行したのは、「長期的に見て(原料確保は)ターニングポイント」(小池会長)という意識を持っているからにほかならない。