Intel True Viewは、Intelが2016年に買収したVRベンチャー企業Vokeのリアルタイム立体映像技術TrueVRの応用技術だ。TrueVRでは、180~360度ビューを実現するカメラを競技場のすみずみに設置。複数のカメラの映像を3Dレンダリングすることで、ユーザーは好みの席からの影像を体験できたり、影像内を自由に動き回ることができるようになる。

  • スタジオ内に多くの180度または360度カメラを設置し、好きな視点からスポーツ中継を楽しめるようにするIntel TrueVR

  • TrueVRの技術を応用し、没入型の映像体験を可能とする。Intel True View

Intelは、この技術に関して影像の基本単位となるPixcelを、立体方形のVoxeに置き換え、各ポイントに360度カメラのデータをマッピングすることで深度を与える。

  • True Viewでは、映像データを構成する最小単位であるPixelをVoxelに置き換える

  • Voxelでは、ピクセルを立方体に変換し、視野に応じて360度カメラの色データを立方体に適用することで、映像に深度を与える

これによって、1つの影像をあらゆる視点から楽しむことが可能となるとして、NFLの試合を、クオーターバックの視点でプレイバックして見せるデモを披露した。将来的には、ユーザーが好きなプレイヤーの視点でゲームを楽しめるようになると説明した。

  • True View技術を利用することで、アメリカンフットボールのクォーターバック視線の映像も見ることができるようになる

  • 元ダラスカーボーイズのクオーターバックで、現在米CBSの解説者を務めるトニー・ロモ氏を招き、True View技術がスポーツ中継にもたらす革新をアピール

また、Intelはオリンピックの公式スポンサーとして、平昌冬季オリンピックの中継においても、TrueVR技術を使った中継を米NBCとともに行なう計画を示し、ボリューメトリック技術が今後のスポーツ中継を変えていくという考えを示した。

  • Intelは、True VR技術によるスポーツ中継を、平昌冬季オリンピックでも行なう

エンターテインメント業界にもVRを広げる

Intelは、この技術をエンターテイメントの世界にももたらせようとしている。同社はロサンゼルス空港近くの約2,300平方メートルの敷地に、3D/VRボリューメトリック撮影が可能なドームを建設し、10億のライトを設置したIntel Studioを開設する。

  • Intelがロサンゼルスに建設した3D/VRボリューメトリック撮影用スタジオであるIntel Studio

スタジオ内には、5.1マイルのファイバーケーブルを敷設すおか、10PBストレージと大規模コンピューティング施設を備える。同社は米大手映画配給会社のパラマウントと協力し、この施設を使って次世代の映画コンテンツの撮影ができるようにした。

キーノートでは、このIntel Studioを使って、典型的な西部劇のシーンを3Dボリューメトリック影像化。たった1度の撮影で、さまざまなアングルや視点の表現を可能にするだけでなく、馬の視点からそのシーンを見ることもでき、あたかも観客が俳優の1人になったような視点で影像を楽しむこともできるようになると言う。

  • ボリューメトリック撮影による西部劇の1シーン

  • 上記の映像を馬の視点から見たもの。

  • Intel Studioと映像表現の革新

また、セカンドライフの運営会社であるLinden Labが開発した、ソーシャルVRサービスのSANSARを使って、CESのIntelブースを体験するデモも行なった。

  • SANSARを使ったIntelブースのVR体験デモ