なおd払いは、大手流通各社での対応を進めるほか、個人商店のような小規模店舗で利用可能にする方針だという。そのために、リクルートのPOSレジアプリAirレジがd払いをサポートし、タブレットやスマートフォンでスマホに表示されたQRコードを読み込んで支払いができるようになるとのこと。

  • 対応店舗

  • 今後拡大を目指す業種の例。さらにパートナーとも加盟店拡大を目指していく

d払いアプリはiOSとAndroidに対応。アプリ内でdポイントカードを表示することも可能で、支払い200円につき1ポイントが付与される。また、インターネット上での決済で利用できる「dケータイ払いプラス」は名称を変更してd払いに統一。100円につき1ポイントのポイントが付与される。

  • d払いアプリ。起動するとバーコードが表示される。下段にあるキャラクター「ポインコ」をタッチするとdポイントカードが表示される。まずはポイントカードを表示して読み取ってもらい、その後に支払いのためにバーコードを読み取るという形になる

ドコモの決済サービスは、1999年2月に開始したiモードでの情報料回収代行サービスを端緒として、2005年7月にはドコモケータイ払いを開始。12月にはおサイフケータイによる非接触決済サービスとしてiDを提供。クレジットカードのdカードも提供しており、取扱高は2016年度で2.6兆円に達している。しかし、日本ではクレジットカードに代表されるキャッシュレス決済が遅れており、海外に比べて半分以下。ローソンでは「80%が現金払い」(ローソン執行役員マーケティング本部長野辺一也氏)とほとんどが現金払いだ。

  • ローソンの執行役員 マーケティング本部長の野辺一也氏(左)とドコモのスマートライフビジネス本部執行役員プラットフォーム推進部長 前田義晃氏

政府も2020年に向けてキャッシュレス決済の拡大を目指しているが、なかなか状況は好転していない。例えばローソンでは、混雑時のレジ行列を見て購入しない客がいる一方、「現金と非現金ではレジ処理のスピードが明らかに違う」(野辺氏)。さらに少額決済中心のローソンでは、レジには小銭が貯まり、それを紙幣に替えて売上を入金する作業が必要で、小銭の過不足確認も大きな手間になっているという。もちろん、24時間営業ならではの防犯対策という面でも現金は少ない方がメリットがある。

  • ドコモの決済サービスの歴史

  • 取扱高は順調に拡大している

  • ネットでの支払いに対応したdケータイ払いプラスの導入で取扱高は過去最高に

  • d払いは簡単、便利、お得という3つのメリットがある。基本的にはiDやdカードでも同様のメリットがあるが、現金払いのユーザーに対してアピールする