iPhoneのセキュリティシステムが指紋から顔に変更されるため、普段のiPhone利用の際のロック解除に加え、アプリの購入やApple Payの支払い、アプリのデータのロックなどにもFace IDによる認証が使われることになる。

  • Face IDによるロック解除は、端末を見るだけで完了する

Face IDでは、その人が端末を見ているかどうかも検知するため、寝ている人の顔で認証を行うことはできないという。

Apple Payも、支払おうとする際、指をセンサーに触れる代わりにiPhone Xをちらっと見れば認証されることになる。この支払いにおいては、指を置く動作よりも「見る」という動作の方が明示性が薄いと感じる可能性があるため、対人的な支払いに際して、より明示性を求めたい人にとっては、Touch IDの方が良い、と思う人もいるかもしれない。

  • iPhone 5sで採用されたTouch ID。その後のiPhone、iPad、MacBook Proにも採用された

筆者は映画『マイノリティ・リポート』における未来のテクノロジーの描写を興味深く楽しんだ。作中では、電車の車両内に設置されたセンサーが大量にドアを乗り降りする人々の光彩を読み取り、支払いに利用していた様子が描かれていた。決済の場での体験としては『マイノリティ・リポート』のそれに近いものになるだろう。もっとも、日本のSuicaではApple Payのエクスプレスカード機能が利用できるため、改札での指紋認証は不要だった。