量販店のPOSデータから販売動向を調査しているBCNによると、2017年の年末商戦におけるエコタンクモデルの販売には弾みがついているものの、販売台数比率は3%程度に留まっている。

だが、大学生協においては、エコタンクモデルに対する人気が高く、今年はさらに勢いがついている。

大学生協東京事業連合 第1事業部全国共同仕入事務局購買商品課・中原宣人次長は、「前期は、首都圏の8キャンパスの大学生協での販売に留まっていたが、今期は全国60キャンパスでの販売にまで拡大。仕入れ台数も5倍になる」と語る。

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    大学生協東京事業連合 第1事業部全国共同仕入事務局購買商品課・中原宣人次長

大学生協東京事業連合では、新入生を対象にしたPCやタブレット、プリンタ、関連書籍などを共同仕入れを行い、これを全国約200カ所の大学生協に供給。そのひとつとして、前期からエコタンクモデルの取り扱いを開始している。

大学生協東京事業連合 第1事業部全国共同仕入事務局購買商品課・深谷和規課長は、「学生の間からは、インク代が高いという声が数多く出ていた。2016年、エプソンからエコタンクモデルの提案をもらい、検討をした結果、これによって、学生の不満を解決できると考えた」とする。

  • 大学生協東京事業連合 第1事業部全国共同仕入事務局購買商品課・深谷和規課長

トータルコストで学生の不満を解決

一方、東京工業大学生活協同組合大岡山店でも、「トータルコストを考えたときに、学生には大きなメリットがあると考えた」(東京工業大学生活協同組合大岡山店・佐藤聡一副店長)と、エコタンクモデルの取り扱いを開始したきっかけを語る。

東京工業大学生活協同組合では、前期から、新入生を対象にエコタンクモデルの販売を開始したが、最初はどれぐらいの反応があるのかがわからず、まずは20台だけを発注するところから始めたという。他社製インクカートリッジモデルの発注が100台規模であったことに比較すると手探り状態でスタートしたことがわかる。だが、販売を開始して以降の手応えは予想を上回るものになっており、追加発注を繰り返して、最終的には60台を発注することになったという。

「プリンタ本体の価格は、3倍に跳ね上がるが、4年間の利用を想定した場合には、エコタンクモデルの方が明らかに安い。大学生に対して、エコタンクのメリットが訴求しやすく、説明もしやすい。大学生に最適なモデルとして提案できる」(東京工業大学生活協同組合大岡山店・佐藤副店長)というわけだ。

  • 東京工業大学生活協同組合大岡山店・佐藤聡一副店長