エプソンの大容量インク「エコタンク」搭載プリンタ(エコタンクモデル)が、大学生協で販売台数を大きく伸ばしている。
全国の大学生協向けに、デジタルデバイスなどの共同仕入れしている大学生協東京事業連合では、「今期は全国60キャンパスでエコタンクモデルを販売する予定であり、仕入れ台数は前期の5倍に拡大する」と語る。また、2016年からエコタンクモデルを販売している東京工業大学生活協同組合大岡山店では、「今期は、新入生向けに販売するプリンタの約半分がエコタンクモデルになる」と、エコタンクモデルの販売拡大に乗り出す。
量販店店頭では、エコタンクモデルの構成比(市場シェア)は約3%。それに比べて、大学生協での販売比率が圧倒的に高いことがわかる。なぜ、大学生協でエコタンクモデルの販売が急拡大しているのか。そこには、大学生ならではのニーズに合致した提案が行われていることが見逃せない。
プリンタの不満「インクの高さ」を解決
エプソンのエコタンクモデルは、大容量インクタンクを搭載することで、長期間に渡って、インクの補充が必要なく、印刷に関わるトータルコストを削減できるのが特徴だ。
従来製品では、大量に印刷する場合には、インクカートリッジを頻繁に交換する必要があり、インクカートリッジの価格が高い、あるいはインクカートリッジ交換の手間がかかるといった不満が出ていた。
エプソンの調べによると、プリンタのインクがしょっちゅう切れると感じている人は88%、インク代が高いと感じている人は98%に達しており、プリンタユーザーの多くが、これらの点に不満を感じていた。
エコタンクモデルは、こうした課題を解決する製品であり、エプソンでは、2010年10月に、インドネシア市場にエコタンクモデルを投入して以来、これまでに全世界150カ国以上でエコタンクモデルを発売。日本では2016年から本格的に展開を開始した。
2017年度見通しでは、エプソンが全世界で出荷するプリンタ全体の45%以上がエコタンクモデルになる見通しであるが、これらの多くが新興国市場における販売であり、日本、北米、欧州の先進国市場では、依然としてインクカートリッジモデルの販売比率が高い。