マーケティング面もユニークだ。前述したとおり、ワールドプレミアムはセブンとサントリーによる共同開発だ。販売チャネルはセブン-イレブンの店舗に限定されるが、セブンで販売されている食品と合わせてもらうような戦略を採るとしている。

試飲会では6種すべてが提供された

シリーズの販売開始直前にワールドプレミアムの試飲会に招待されたが、各ワインに合わせて提供された食品は、すべてセブンで購入できるもの。たとえば甲州。味噌ベースのソースが添えられた野菜スティックと合わせることを勧められた。日本古来のブドウ種・甲州と味噌ベースの野菜スティックは確かに納得だ。

そのほかリースリングは「ほぐしサラダチキン」、キャンティは「ミートソースドリア」、シラーズ/ヴィオニエは「スモークタン」、カルメネールは「金の直火焼ハンバーグ」、ボルドーは「金のビーフシチュー」との組み合わせで提供された。

お酒コーナーが店舗の奥にある意味

上條氏に、ワールドプレミアムのコーナーとこれらの食品を集めたコーナーを組み合わせるのか確認したところ、それは考えていないらしい。というのも、酒類コーナーは店舗の奥まったところにあるのが、セブンの基本的なレイアウト。上條氏によると、ワインを購入する客は真っ先に奥まで進むことが多く、その後、店舗を回遊しながら食品を手に取るらしい。つまり、少しでも店内を回遊してもらい、日用品や雑誌を手に取ってもらう狙いがあるのだろう。

少し残念なのは、セブン限定ワインシリーズが誕生したからといって、ワインコーナーが拡張されないこと。言い換えると、これまでセブンで入手できた商品の一部が並ばなくなる。できれば、これまでの品揃えのまま、ワールドプレミアムという新たな選択肢が増えたほうが個人的にはよかった。