2012年頃から日本での消費量を伸ばしているワイン。その原動力となっているのは、チリ産を代表とする安価なものだ。コンビニやスーパーといった、身近な販売店でワインコーナーが広がったことも功を奏している。

同じ銘柄を選ぶ傾向のワイン消費者

だが、ここに大きな課題がある。たとえ1コイン(500円)という安価でも、「失敗したくない」という意識が消費者に芽生え、過去に購入したワインを継続的に購入してしまう傾向が強いこと。結果、いろいろなテイストを味わうという、ワインの楽しみ方のひとつを無意識のうちに放棄してしまっている人が多くいる。

こうした課題を乗り越えようと、酒類大手のサントリーとコンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン)がタッグを組んだ。

この両社が共同で開発したのが「ワールドプレミアム」シリーズというワイン。世界の産地のワインを集めてシリーズ化し、いろいろな国のテイストを味わってもらおうというのがコンセプトだ。

  • 左:12月12日から販売開始された「ワールドプレミアム」シリーズ。右:セブン-イレブン・ジャパンの上條智氏と、サントリーワインインターナショナルの三宅智子氏

セブンの商品本部 食料・加工食品部 上條智氏は、「店頭で売れるワインは400~700円というプライスゾーン。それ以上の価格帯になるとあまり手に取ってもらえない。だが、ワイン中級者にリーチできる商品の必要性を感じていた」と話す。また、サントリーワインインターナショナル 輸入ブランド部 三宅智子氏(ソムリエ)は、「弊社もセブンさんとまったく同じ考え。生活に密着した販売チャネルを日本全国に持つセブンさんの協力で、中級者向けワインを販売できるのは大きなチャンス」と語る。