インパネは素材にこだわり、さりげない主張も

インテリアデザインについては、まずインパネに特徴がある。上のラインはジェントル、下は上下にメリハリをつけることで、センターパネルやエアコンルーバーなどのディテールをきれいに見せることにこだわった。一方のドアトリムは、ひとつのラインをカーブさせることで一体感を出している。

  • ボルボ「XC60」のインパネ

    「XC60」のインパネ

その上で本物の素材にこだわり、金属や木材を多用。樹脂を使う場合もメタルコートを施すことで、触れた際にひんやりした感じをもたらしている。

面白いのは助手席側のシルバーのキャラクターラインにスウェーデン国旗が織り込まれていること。さりげない主張だ。しかもこの国旗の部分でラインが分かれており、上に張られた木と下側の樹脂の熱による膨張率の違いを吸収するという機能も保たせているのだ。

  • ボルボ「XC60」のドアトリム

    「XC60」のドアトリム

居住性と使いやすさにも配慮

シートは前後とも90シリーズと共通とすることで座り心地にこだわった。このうち後席は、ベースの部分はXC90用、シートはV90用とすることで、隙間にタブレットなどが入るスペースを設けている。細かい部分まで考え抜かれた空間なのだ。

新世代ボルボはディスプレイの使いやすさにも定評がある。縦長なので地図が見やすく、メニューの表示は明快で、タッチ操作のほか音声操作も可能。スイッチが整理されていることも目に付く。この部分は情報機器部門と共同で進めたそうで、シンプルかつクリーンに見せるべく、スイッチを少なくすることにも留意したという。