清掃ロボット分野に新規参入
続いて、冒頭でも軽く紹介された、米Brain Corporationの清掃用ロボットの取り扱いについて説明があった。同社は今年7月に開催されたSoftbank World 2017の基調講演でも紹介があった企業で、Softbank Vision Fundから1.14億ドル(約128億円)の投資を受けた企業。業務用の清掃用ロボットを販売しているが、自社でロボット本体を作るのではなく、その制御用AIにあたる「Brain OS」の開発に特化している。Brain OSは低速の自動運転に特化しており、急な飛び出しやルート上を塞ぐ障害物などへの対応に優れているのが特徴だ。
Brain社はロボット製造メーカーにBrain OSを提供し、同OSを搭載したロボットをメーカーが顧客に販売。顧客はBrain OSを利用する権利を月間500ドル程度で購入するというビジネススタイルだ(同社は「AI as a Service」と呼称)。月額5~6万円であれば、清掃員を数人雇うよりも安上がりというわけだ。
日本へは2018年夏に、中国International Cleaning Equipment(ICE)社の清掃用カートを自動化して導入する見込み。業務用の自動清掃ロボットはすでに他社からも登場しているが、Brain OSは突然の飛び出しや障害物に対応しやすく、営業時間中の清掃でも安全に行えること、清掃自体が早く終わらせられるという高速性が特徴であり、月額制という料金体系自体も導入しやすさにつながるという。
実機によるデモンストレーションも行われたが、確かに狭い通路も器用に曲がりながら清掃を行っていた。ただ、これは実際の現場での挙動がわからないのでなんとも言えないのだが、清掃した跡を見ると、広い通路の中央付近しか掃除できていない。隅の方はほとんど掃除されておらず、確かに一周するのは早いだろうが、筆者の目には幾分大雑把な掃除ぶりだなあ、と映った。
日本市場では隅々までモップをかけた後が残るような、徹底した掃除が好まれる傾向にある。そうした市場ごとの差異も吸収するようなカスタマイズが施されるのか、あくまでBrain流を通すのか、注目したい。