ドイツ車と比較する顧客も

さて、まだ今年8月から始まったばかりの専売店展開だが、手応えはどうだろうか。

「ジュリア発売の10月のフェアなど、2週間で3,000人の来場をいただき、300台の受注残を得ました。来場されたお客様は、メルセデス・ベンツ、BMW、レクサスなどにお乗りの方が見られ、比較していただいているのがわかりました。そこに、手応えを感じています」

「販売店からは、従来はフィアットやアバルトとの併売であったため、どちらに関心のあるお客様か分かりかねるところがあったのが、専売店化により分かりやすく、楽になったという声が出ています。こうしたことから、アルファロメオの専売店化は、やるべきであったし、的を射た戦略だったと自信を深めています。あとは販売台数という結果だけなので、ドキドキもしています」(牛久保氏)

牛久保氏はアルファロメオ専売店化に手応えを得ている様子。気になるのは「ジュリア」(画像)の売れ行きだ

ドイツ勢が形成するトップ集団に肉薄できるか

専売店化は、来年2018年中に60店舗へと拡大する計画がある。

「FCAジャパンは直営店を持っていませんので、現在、都心や横浜の中心部がディーラー網の空白地帯となっていて、そこに課題を残しています。出店のお話はいただいていますが、ジュリアや、この後に導入となるステルヴィオの販売動向を見てというのが、出店の判断のしどころとなっているようです。今後、テレビコマーシャルを増やし、自動車雑誌などでも記事が掲載されるでしょうから、そうした効果も待ち遠しいところです」と、牛久保氏は期待する。

では、ドイツの競合が鎬を削るDセグメントで、アルファロメオはどこまで食い込めるのか。牛久保氏は「販売店数でドイツ勢の4分の1ほどですから、Bクラスのトップを狙いたい。それが現実的な目標になるでしょう」と話す。ジャーマンスリーが形成するトップ集団の後に付けたいというのがアルファロメオの目標だ。

ドライバー中心という考えから、人とクルマが一体になれるクルマ作りをはじめたアルファロメオ。第1弾のジュリアは、そんな期待に応えるであろう、壮快な運転を楽しませるクルマである。