Firefox 56の新機能
Firefox 56の新機能であるが、以下の通りである。
- ブラウザ上で直接スクリーンショットを撮影、保存、共有できるFirefox Screenshots機能を正式公開
- 住所入力フォームの自動補完に対応(現時点では英語版・米国のみ)
- 設定画面を以下のように改良
・特定の設定をすばやくみつけられるよう、検索バーを追加
・設定をより簡単に見渡せるよう、設定項目を再編成
・各種の選択肢や、それらがどうブラウジング影響するのかをより深く理解できるよう、説明文を見直し
・更新されたプライバシー通知やデータ収集方針に沿って、データ収集の選択肢を改訂 - 背面で開かれたタブ内のメディアを、タブが選択されるまで自動再生しないよう設定
- iOS/Android版Firefoxへタブを送信できるFirefox SyncのSend Tabs機能を改良するとともに、Firefoxアカウントを作成していないユーザーにもこの機能を発見できるように
前バージョンの55では、完全実装ではなかったFirefox Screenshots機能が、正式に実装された。
ルック&フィール的に大きな変更は、オプション画面であろう。従来は、[一般]、[検索]、[コンテンツ]、[プログラム]、[プライバシー]、[セキュリティ]、[Sync]、[詳細]と8個の項目で構成されていた。それが、図5のように4項目に集約された。
[一般]、[検索]、[プライバシーとセキュリティ]、[Firefoxアカウント]の4つとなった。[プライバシーとセキュリティ]は、統合されたことで、使いやすくなったといえるだろう。
また、右上には[オプションを検索]の検索ボックスも追加された。変更点は、以下の通りである。
- 文字エンコーディングコンバーターを、Rust言語で書かれたエンコーディング標準準拠の新実装と置き換え
- AES-GCM向けのハードウェアアクセラレーションを追加
- セーフブラウジングプロトコルをバージョン4へ更新
- 更新のダウンロードファイルサイズを約20%削減
- 更新ダウンロードの検証における安全性を改善
開発者向けの変更は、以下の通りである。
- 開発ツール内のCSSグリッドツールにレイアウトパネルを追加
今回のアップデートであるが、当初、予定されていた10月2日よりも前倒しで行われた。これは、次のバージョンアップであるFirefox 57の開発期間を少しでも長く確保するための措置と推察される。10月26日(現地時間)には、次期Firefoxの名称を「Firefox Quantum」と呼称することなどが発表された。アーキテクチャーやユーザーインターフェイスも大幅に変更される。その一方で、旧来のアドオンなどの利用不可などの変更も予定されている。今回のバージョン56は、ある意味、これまでのFirefoxの最後の姿かもしれない。
また、今回のバージョンアップでは、[最高]が2個、[高]が6個、[中]が8個、[低]が2個のセキュリティアップデートが行われた。すみやかにアップデートを行うべきである。