スーパースライドシートで多彩なシートアレンジが可能に
インテリアでは、運転席の前にあるメーターが遠くに移動し、ステアリングの上から見るタイプになったことにまず気づく。N-BOXは着座位置が高いので、低い位置にメーターがあるとドライバーの視線移動が大きくなりがちだ。その点、新型のメーターは視線移動が少なく、見やすくなった。しかも、手前に収納スペースを用意することができた。これが実に使いやすかった。
シートでは、助手席が前後に長くスライドするスーパースライドシートが特徴だ。実車で試してみると、身長170cmの筆者がドライビングポジションを取った運転席の腰の位置まで助手席前端を下げることが可能だった。後席もスライド可能なので、上から見てチェック模様のようなシート配置にすることもできる。
感心するのは、スーパースライドシートの導入に合わせて、助手席シートベルトをシート内蔵としていることだ。センターピラーに内蔵した従来の方式では、後に下げたときベルトとしての機能が果たせなくなるためだが、ベルト内蔵とするとシート自体に高い剛性を持たせなければならず、重量も増える。よくぞ投入したものだと感心した。
ホンダではこのスーパースライドシートの利点について、3人家族で父親が運転席、母親が助手席、子供が後席右側に座ったような場合に、母親が父親と子供の両者との会話がしやすくなることを挙げている。
ただし、自動車に限らず、2人以上が同じ場所に座る場合の椅子は、横並びとなるのが一般的だ。わざわざオフセットするという配置はめったに見ない。ここは販売現場でも、オフセット配置によって会話がむしろ弾むことを展示車で体験してもらい、理解を深めていく必要があるだろう。