独ベルリンで開催された家電関連展示会IFA 2017で、ソニーモバイルコミニュケーションズが発表したスマートフォン「Xperia XZ1」「Xperia XZ1 Compact」。新機能として「オートフォーカス連写」「先読み撮影の笑顔検出」「3Dクリエーター」が追加された。こうした新しいカメラ機能などについて、同社の担当者に話を聞いた。

今回話を聞いた(写真左から)ソニーモバイルコミニュケーションズ HW Development部門Device Design部主任技師・高野浩司氏、UX商品企画部門UX商品企画2部エクスペリエンス企画課・遠藤功佑氏、PBG,SW SW開発4部Camera Technology Marketing課統括課長・間下健介氏、UX商品企画部門UX商品企画2部統括部長・安達晃彦氏

今回の新機能は、カメラの使い勝手を向上させたり、新たな使い方の提案をする物だが、その反面、カメラ自体は従来と変わらない。間下氏も、「モジュールは同じ」と認める。

Xperia XZ1

Xperia XZ1 Compact

既存モデルである「Xperia XZ Premium」から搭載されたメモリ積層型センサー「Exmor RS for mobile」とGレンズはそのまま継続しているが、画像処理エンジンのBIONZ for mobileに関しては、改善を加えており、ノイズを残して解像感を維持する方向性で変更も加えているという。

Xperia XZ1の基板。右上の角にあるのがセンサー

ノイズリダクションは、見栄えが向上する代わりに細部が潰れてしまい、スッキリしない画質になることもある。スマートフォンでは画面が小さく、あまり拡大表示されないため、シャープネスが強めで細部までくっきりとした画像が好まれる傾向にある。Xperia XZ世代では、従来に比べるとこのシャープネス重視の方向性に舵を切ったが、Xperia XZ1世代では、これをさらに強化した。

レンズモジュールは従来と変わっていない。35mm判換算25mm相当の広角レンズ採用し、特有の歪みが残っている。一時期、ネット上で箱の歪曲収差について問題視する声もあったが、同社の調査では他社カメラでも同様の傾向はあり、撮影距離などによっても変わってくる。こうした収差はソフトウェアでの補正も可能だが、間下氏は「補正を行うかどうかは検討している」としている。

Xperia XZ世代で新たに搭載された960fpsのハイスピード動画撮影機能は、もちろん今回も継続。安達氏によれば、「毎日のように使うという人もいるが、月に1回程度という人もいる」としつつ、「思った以上に面白い機能と感じた人が想定より多かった」と話す。

結果として、ハイスピード動画撮影機能は「期待した以上に利用されている」という。安達氏は「動画のコミュニケーションがソーシャルメディア上でも増えている」と指摘。動画で記録を残す例が増えており、「動画のムーブメントを活性化させるために提供した」というハイスピード動画撮影が活用されている点をアピールする。