スポーツ路線に転換して売上が増加
2016年のApple Watch Series 2からスポーツ路線にシフトしたことで、2017年第1四半期における出荷台数の前年同期比伸び率は64.1%となり、高い伸び率を記録しました。また海外メディアは、Apple Watchの出荷本数が2017年の1年間で1,500万本に上る見通しになると報じています。
Appleの第3四半期決算発表では、ティム・クックCEOが「Apple Watchの売上高は50%以上増加した」と発表。IDCの発表によると、ウェアラブルデバイス機器市場における2017年第2四半期のメーカー別出荷台数は、Xiaomiに続いて2位につけ、昨年同時期に比べて市場シェアは49.7%増と急伸。スポーツ路線への転換が大成功だったことを示す結果となりました。
これらの数字が出るたびに、一部では「ファッション路線は大失敗だった」と煽る論調もあります。ティム・クックのCEO就任以降初めての新カテゴリー製品で、鳴り物入りで売り出されたApple Watch。普通なら失敗は認めたくないし、多額の投資を回収するためにファッション路線を貫くこともできたでしょう。
しかし世界時価総額1位の企業で、11万人以上の従業員を抱え、舵切りが容易でないなか、たった1年でスポーツ路線にシフトを始めた点は、むしろ軽やかで鮮やかだったと感じています。
最近では米保険大手のエトナと会合し、2,300万人の顧客にApple Watchを提供する計画があると報じられました。すでにAppleはエトナと提携、同社従業員にApple Watchを配布しており、顧客への提供も早ければ2018年に開始する可能性があるそうです。そこにはやはり、Apple Watchをきっかけにスポーツに取り組んでもらい、健康への意識を高める、という狙いが見えます。
Apple Watchは身につけるアイテムである以上、ファッション性も意識するでしょうが、しばらくはスポーツやヘルスケア色を全面に押し出す形となりそうです。新型Apple Watchの発表は9月の可能性が高いものの、出荷時期の具体的な日程は不明。来週の発表会でどんな方向性が示されるのか、発売日はいつなのか、今から楽しみです。