DMM.comの動画配信にもSamsungのSSDが活躍
続いて、株式会社DMM.comラボの渡辺宣彦氏が「動画配信基盤においてSSDがもたらした恩恵とは」というタイトルで講演を行った。
DMM.conの動画配信コンテンツのタイトル数は30万を超えており、年間約1PBのペースでコンテンツが増えている。現在は、6TB SATA×12本構成のサーバーをRAID6で運用している。配信は基本的にオンプレミスであり、トラフィックはピークで200Gbpsを記録した。ただし、サービスや提供形態によってCDNやパブリッククラウドを利用することもある。
これまでDMM.comは、動画配信においてキャッシュサイズの大容量化やトラフィックのコントロールという課題を抱えていた。また、ディスク性能によるボトルネックが生じ、CPU iowait timeが高くなってしまうことも問題であった。
そこで、SSDをキャッシュサーバーに導入し、HDD搭載キャッシュサーバーと性能比較を実施。HDDの場合、ストリーミングキャッシュは15分程度で限界に到達し、CPU iowait timeが50%を超え、スループットが低下する。それに対して、SSDではiowaitもほぼ発生せず、スループットは順調に上がり、2.5Gbpsに到達した。
DMM.comの動画配信コンテンツのタイトル数は30万を超えており、年間約1PBのペースでコンテンツが増えている。現在は6TB SATA×12本構成のサーバーをRAID6で運用している |
基本的にはオンプレミスで配信しており、ピークで200Gbpsを計測したことがある。また、サービスや提供形態によってCDNやパブリッククラウドを利用することもある |
また、SSD導入前と比較して、キャッシュサーバーに書き込まれるトラフィックが9.52Gbpsから4.13Gbpsに半減し、キャッシュヒット率が倍以上に向上。大規模キャンペーン時も、特別な負荷対策は用いずに通常運用しているSSDキャッシュサーバーだけで乗り切ることに成功した。大容量SSDを投入したところ、満足のいくリード/ライト性能が得られ、オリジンサーバーの負荷軽減に貢献。さらに、外部費用やサーバー構築工数の圧縮にも貢献したという。
耐障害性についても、合計272本のSSDを投入しているが、そのうち故障したのは1本のみであり、安定した稼働状況を継続中である。SSDに今後期待していることは、GB単価がもっと下がることと、大容量化とした。
SSDの性能検証として、HDD搭載サーバーとSSD搭載サーバーを用意。HDD搭載サーバーは、RAID1+0で6TBのストレージを搭載、SSD搭載サーバーは、RAID6で3.84TBのストレージを搭載している。また、データはすべてフォーマットした状態で検証を開始 |
HDDの場合、ストリーミングキャッシュは15分程度で限界に到達し、CPU iowait timeが50%を超え、スループットが低下する |
SSDでは、iowaitもほぼ発生せず、2.5Gbpsに到達した |
導入前と比較して、キャッシュサーバーに書き込まれるトラフィックが9.52Gbpsから4.13Gbpsに半減し、キャッシュヒット率が倍以上に向上 |