東京に戻り、S先輩と今回の検証について意見を交換した。まず“安定感”について。これについては圧倒的に新幹線に分がある。S先輩によると、ほぼ定刻どおりに駅に停車し、予定どおりに広島駅に到着したそうだ。一方、旅客機は、今回のようにフライトが遅れることがままある。市街に向かうバスが渋滞に巻き込まれることも考えられ、予定時間に正確に着けるかどうか読めないところがある。

続いて“乗車・乗機時間”。これはもう、飛行機の圧勝だろう。広島駅まで4時間近く乗車する新幹線に比べ、約1時間20分で済む。羽田行き京浜急行やリムジンバスの乗車時間もあるが、目的地近くの空港に短時間でアクセスできるのは心理的にラクだ。

喫煙者にやさしい「のぞみ号」

そのほかはどうだろう。まず“食事”について。両名とも朝食を抜いてきたため、移動中に食事を済ませた。S先輩は車内でサンドイッチ、筆者はチェックイン後にロビーでパンを食べた。豊富な駅弁が入手できることを考えれば、新幹線に軍配が上がりそうだ。

そして“喫煙”について。両名とも喫煙者なので、これははずせないポイントである。東海道新幹線は喫煙者にやさしく、東京駅ホームに喫煙所、のぞみ号には車内に喫煙ルームがある。一方、羽田空港は搭乗ゲートロビーに広めの喫煙室があり、ここでタバコを吸える。もちろん機内は禁煙だが、乗機時間が短いので十分にガマン可能。目的地の空港にも喫煙所が用意されている。もっとも地方の場合、喫煙所はターミナルの外ということも多いが……。車内に喫煙ルームがない東北新幹線などと比べた場合、旅客機のほうが喫煙者へのストレスは少ないか。

左はS先輩が食したカツサンド。右は喫煙ルーム。車窓を眺めながら一服

2人の意見が大いに合致したのは「楽しかった」ということ。まさか、異なる公共交通でここまでの“デッドヒート”になるとは思わなかった。今回の検証でやりとりされたメッセージのラストは「楽しかった!」「盛り上がりましたね」というものだった。