御殿場市 産業スポーツ部 部長の勝俣 昇氏は、「多くの観光客に来ていただいているにも関わらず、その実態を把握できていなかった」と現状を語る。この実証実験を通して、富士登下山道の利便性向上や、ツーリズムの基礎資料に役立てるという。
御殿場口は、規模の大きい施設がある富士吉田口や、山頂までの距離が短い富士宮口と比較して利用者が少なく、"ツウ好み"なスポット。それだけに御殿場市としても、冬季以外は通年楽しめるハイキングコースなどのアピールを行い、御殿場市中心地からの循環を目指したいところだろう。
現状の把握と目指す目的地がはっきりと定まっている場合は、こうしたPoCキットは有効だろう。しかし目的が「IoTをやる」だけでは目的と手段が入れ替わってしまい、本来達成すべきゴールを見失う。またLPWAの有効性も、前述のバッテリー問題のように「理想」と「現実」に開きがある可能性がある。
本番稼働ありきで検証するのではなく、ある程度の失敗やナレッジの蓄積を念頭に、目標を設定することが吉と言えそうだ。