最後に表彰された学校の中から僭越ながら筆者が印象に残った作品をいくつか紹介しよう。
北海道岩見沢高等養護学校は、初戦を含め、独特の感性が評価された。それを表現する技法もさることながら、ありふれた日常をまったく異なる空間に変える才能を見て、審査員の鶴巻氏は「独自の世界観を作り上げていて感心しました」と高く評価していた。ちなみに1枚目の写真はバーベキューを写したものだ。
セカンドステージでは立木氏に、「シャッターを押す前にも気をつかってください!」とお説教された山口県立下松高等学校の選手たちだが、ファイナルステージでは見事に挽回。フレーミングやアングルなど高評価を得た。同氏は「ちょっとしたことが写し取れる写真はやめられないでしょ。これからも続けてください」とご満悦だった。
東京ブロック審査会では歌舞伎町で撮影した写真で高い評価を得た女子美術大学付属高等学校。ファーストステージでは微妙な感じの評価であったが、セカンドステージ、ファイナルステージでは実力を存分に発揮した。公文氏は「とてもいいのが、写真とプレゼンテーションがそろっていることです。なんとなく力を抜いて撮っている感じですが、きちんと頭の中ではどうやって撮っていくか考えられているのが素晴らしいです」と称賛した。
※ 作品写真、すべて写真甲子園実行委員会提供