Appleは、2017年に発表するとみられるiPhone 8から、有機ELディスプレイを採用すると予想されている。その供給元となるのは、有機ELディスプレイの製造で最も進んでいるSamsungであり、2018年以降、LGなどもサプライヤーとして追加されると噂されている。
ただし、SamsungもLGも、自社製品向けに有機ELディスプレイを採用しており、iPhoneの需要を満たすことができるか、不安視されている側面もある。加えて、完成品のスマートフォンにおけるライバルである韓国勢に、スマートフォンのキーファクターとも言えるディスプレイの調達を依存しているという状態が望ましくないと考えるなら、独自に製造を行う道を模索するのは自然なことだ。
実際Appleは、有機ELディスプレイの次の技術である「マイクロLED」ディスプレイに関する研究開発を進めていると言われており、2014年5月には、シリコンバレーの新興ディスプレイ技術の企業、LuxVue Technologyを買収した。同社はマイクロLEDに関するディスプレイ技術の特許を出願した企業であり、Appleが次世代ディスプレイ技術に興味を持っていることを示している証拠とも言えよう。
LEDディスプレイは、スタジアムなどの巨大なスクリーンに用いられていることで知られているが、ソニーなどは、微細なLEDを配置するディスプレイを開発し、液晶ディスプレイ以上の視野角や高色域、そして有機ELディスプレイよりも低い消費電力を実現する。
モバイルデバイスにおいては、高画質と省電力性の両立が魅力となる。製造技術の確立は必要だが、マイクロLEDディスプレイの量産化が実現すれば、有機ELディスプレイの採用はAppleにとって「一時的なもの」となる可能性が高いと考えられる。