そして4つめに、PC事業、EMS事業に続く第3のコア事業として、ソリューション事業に新たに取り組む姿勢を明らかにした。
VR時代の先駆けになりたい
吉田社長は「ソリューション事業は、ハードウェアとソフトウェア、サービスを組み合わせたもの。これにより顧客に価値を提供し、最適なパートナーと提携し、最適なソリューション開発を行うことになる。VAIOが持っていないものは事業アライアンスで進める」と述べた。
すでに複数の商談が動いているとし、まずはVRソリューション事業に参入。「VRに関する開室、制作、運営ノウハウを持つABALと提携する。VAIOは主に法人向けに、VRに関するハードシステムの導入、保守、コンテンツ制作、運営企画に至るまでのフルソリューションを提供するITサービス会社として、顧客の課題解決を進める」という。
「法人顧客は、VRで何かをやりたいと考えているが、コンテンツをどうするか、機器をどうするか、保守をどうするかに悩んでいる。これらをワンストップで解決するソリューション提供にチャンスがある」と参入の理由を述べ、「どれぐらいのグラフィック性能が必要か、トラブルが発生したときの問題解決はどうするか。これらを切り分けて解決していくには、PCのノウハウで貢献できる」とした。
「360度のVRの世界がこれからやってくる。そして、5年、10年先にはVRが一般化する。そこを深堀りしていくことが有益であり、VR時代の先駆けになりたい」(吉田氏)。
2017年度は準備室を設置。2018年度から事業組織として動き出すことになる。
IPOもM&Aも今はなし、まずはVAIOを筋肉体質に
吉田社長は、「VAIOのブランド価値をあげるために、4つのテーマを掘り起こしていく。国産ブランドの勢いはどこにいったのかと言われたが、VAIOは小さく仕切り直して、成長路線に入っていく」と述べた。
一方で、吉田社長は、「いまはIPO(新規公開株)は考えていない。VAIOは黒字になってきたが、これから筋肉体質にしていかなくてはならない。先にやることがある」と発言。「M&Aはこれから出てくる可能性があり、否定するものではないが、いまの体力では無理である」と語った。