――まだ「立場は挑戦者」とおっしゃっていましたが、今後の番組の展望を教えてください。個人的には、サンドウィッチマンさんの「生中継!日本全国地引網クッキング」がまた見たいのですが…。

そうですね。番組が一番しんどかった時期に、あのコーナーは面白いと評判になって、心の支えでした(笑)。確かにサンドさんもスタッフも地引き網中継は復活させたいのですが、やっとのことで今の番組のスタイルが定着し始めたところなので、今は我慢してるんです。この前もサンドさんに「この夏休みにやりたいという気持ちはあるんだけど、今はニュースに対するコメントで頑張っていただきたい」という話をしました。

――あのコーナーで素人さんをイジるスタイルは、フジテレビ全盛期の『27時間テレビ』を思い出しました。

いつか『バイキング』チームで『FNS27時間テレビ』をやらせていただける時がきたら、地引き網中継を全国10カ所くらいでやりたいですね(笑)。サンドさんの素人さんイジリは、最高なので!

今、フジテレビは逆風の中にいますが、『バイキング』を担当していることによって、視聴率という数値的な反応も含めて、視聴者の方々と日々向き合えているというのはすごくいい経験だと思っています。今思えば4年前、本当に辞退しなくて良かったです(笑)

フジテレビのバラエティは伝統的にディレクターが自分のやりたいことをバーンと提示して、視聴者に「ついてこい!」という作り方をしてきましたが、今はもっと視聴者の方々の声に耳を傾けたり、視聴者の方々のニーズを感じ取る意識が必要だと感じています。小池都知事流に言うと「視聴者ファースト」という言い方になるのだと思いますが、特に「情報バラエティ」をやる時には、どこまで「視聴者ファースト」を徹底できるかが重要です。数字が上がったネタ・下がったネタを検証して、今世間はどんなことに関心があるんだろう?といった議論をトコトンするべきですし、視聴率以外にも世間の関心を探るためのリサーチを日々していかないと生き残れないと思っています。

ただ一方で、坂上さんとも話しているのは、そういった地道な作り方を基本としながらも、1回のOAで何か1つリスク覚悟の「冒険」をして、もしそれがうまく行ったら新しいルールにしていくということ。そういった試みが番組のオリジナリティを生み、同時にマンネリ化を防ぐためにも重要だと思っています。

――視聴率は、地方からどんどん上昇してきています。

関東以外では、月間平均で横並びトップをとっている地区が結構あるんです。まずは『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に追いつくのが目標だったのですが、最近はその上にいる『ひるおび!』(TBS系)にも勝つ地区が出始めたという報告が続々と入ってきています。過去に『めざましテレビ』が地方から数字を上げてきて、その後、関東もトップになったという実例があるので、スタッフにはずっと呪文のように「数字は地方から上がってくる!」と言ってきたのですが、ようやくそれが少しずつ現実になり始めているので、これからもっと頑張っていきたいですね。