――タモリさんは『いいとも』で反省会をしなかったそうですが、『バイキング』はやってるんですか?
はい、やってます。ニュースを扱う路線になってからは特にやってますね。坂上さんは納得のいかないことに関してはトコトン話して、その日のうちにモヤモヤを解消したい方なので。坂上さんから「こういう風にしていきたい」といった要望もありますし、制作サイドから修正の相談をすることもあります。バイキングのスタジオと同じように、楽屋でもオブラートに包まず、本音で腹を割って話す感じです。
――以前、土曜の午前中に『週刊!バイキング』という『笑っていいとも!増刊号』のような番組を放送され、坂上さんの楽屋に、進行の榎並大二郎アナやスタッフの皆さんが集まって反省会をしてる場面が流れていましたが、あんな感じですか?
そうです、あれが普段のスタイルなんです。あの放送ではバカ話ばかりしてましたが、普段は真剣な話半分、バカ話半分といった感じです。
――逆に、本番前はどのような流れなんですか?
坂上さんは、毎朝起きると新聞を数紙読み、『とくダネ!』などの情報番組も見て、ニュースの中身を理解した状態で10時に局入りします。その後、当日の台本を読みながら、扱うニュースに対してどんなコメントをしようかプランを立てられるんです。それから、11時10分より打ち合わせがあって、11時40分までの間に当日のOAのことと2曜日先の内容まで打ち合わせして、本番に臨みます。この準備を毎日欠かさずやっている坂上さんを見ているので、僕らも負けないように準備しないといけない。そういった意味では程よい緊張感もありながら毎日やっています。
『バイキング』(毎週月~金曜11:55~13:45) |
――最近の放送で印象的だったのは、小林麻央さんの訃報があった日(6月23日)の冒頭で、坂上さんが涙ながらに、夫の市川海老蔵さんの会見まで待とうということで、「予定通り進めさせていただいていいですかね」とおっしゃった回です。
海老蔵さんは麻央さんのがんを公表した当初から、マスコミに「とにかくそっと見守ってほしい」というメッセージを出されていましたし、あの日の朝も同じで、海老蔵さんが「のちほど(14時の)会見の場ですべてご報告します」という趣旨のメッセージを出されました。そんな中、本番前の打ち合せで「この件をどこまでお伝えするべきか」ということに関して坂上さんと話し合ったのですが、情報が入ってきたのが放送直前ギリギリの時間帯だったということもあり、結論まで至らず「どこまでやるかはスタジオの空気をみて判断しよう」ということになったんです。そういった状況の中、坂上さんがOA開始直後に「海老蔵さんがご自分の言葉で話すと仰っているのだから、その前にまわりの人間が何かを言うべきではない」と感じて、麻央さんのことには触れないという判断になりました。
――レギュラーメンバーにお姉さんの小林麻耶さんがいるということも、大きかったのでしょうか。
そうですね。坂上さんは麻耶さんから直接報告を受けていたようで、そういった意味で海老蔵さんや麻耶さんへの思いが、他の人よりも近い感覚だったんだと思います。
――あの判断は、『バイキング』という番組の芯がぶれない姿勢を象徴したと思います。
確かにすごく反響は大きかったです。放送後に視聴者の皆さまから「海老蔵さんが語ってから…という坂上さんをはじめ出演者、スタッフの判断に良心を感じました」といった称賛の声を、本当にたくさんいただきました。