国内シェアを回復させる
--2017年度(2017年1~12月)も黒字化が前提ですか。
石渡: 2017年度の黒字化は、マイディアからの至上命令です。そして、権限の委譲と責任の追及が強い会社なので、成長投資をしたのならば、着実に利益を出さなくてはなりません。これは、経営に対する責任だと考えています。
--2017年度の黒字化に向けて、どんなことに取り組みますか。
石渡: ひとつは、魅力的な製品を開発し、それを市場に届けるということです。我々はメーカーですから、これは基本中の基本として大切なことです。5月30日に、ウルトラファインバブル技術を搭載した洗濯機を発売しました。ここでは、家でワイシャツを洗っても、ちゃんと皮脂汚れが落ちるという特徴を訴求しています。この商品を見てもわかるように、きちんと技術開発をし、商品を出すということは、日本のマーケットに対するコミットメントであり、日本のユーザーがどんな商品が欲しいのかということを知り、それを提供していく姿勢はこれまでとは変わりません。
それと2つめは継続的なマーケティング投資です。テレビCMも継続的に行い、訴求を続けていきます。今年の夏商戦においても、6月22日からテレビCMを大量に打ちました。前年同期には、広告投資はほとんどなかったわけですから、その点も大きな違いがあります。振り返れば、2015年の夏商戦も、東芝の不正会計問題があり、自粛した経緯がありますから、実に3年ぶりに、夏商戦向けの広告投資を行ったということになります。もちろん、年末商戦に向けても、積極的な広告投資を行いたいと考えています。こうした取り組みを通じて、売上高を高め、日本におけるシェアを戻すことに取り組みます。
--現在、東芝の白物家電のシェアはどうなっていますか。
石渡: 東芝の白物家電のシェアは、ピーク時には15%程度ありましたが、いまは、10%程度へと、約5%下がっています。2018年度には、ピーク時の水準にまで戻したいと考えています。電子レンジなどでは30%近いシェアを持っていますが、エアコンのシェアは、10%から5%程度へと半減しましたから、ここを優先的に回復させなくてはいけないですね。とくに、マイディアはエアコンの製造、販売では世界一の会社ですから、日本だけシェアが低いというわけにはいきません(笑)。商品力に加えて、これまで絞り込んでいたマーケティング投資、販売店支援などを強化することで、エアコンのシェア拡大に取り組みます。構造改革によって、かなり絞った筋肉質な体質になっていると思いますので、売上げが拡大すれば、自ずと利益がついてくるという構造になっています。