「300年継続する企業」は生まれるのか
孫社長は近年、ソフトバンクを「300年成長を継続する企業」にしたい、と発言している。ただでさえ浮き沈みの激しいIT業界において、具体的に300年の継続が可能かどうかはさておき、単に利潤や成長を求めるのではなく、人類・社会への貢献という高い目標を立て続けることができるのであれば、そして投資家たちもその理念を支持し続けることができるのであれば、ロックフェラーやロスチャイルドといった世界的財閥に匹敵するような規模への成長も、あながち不可能というわけでもないだろう。
個人的には、孫社長という強烈なカリスマ経営者の存在がソフトバンクの強みであり、よほど優れた後継者が現れないことには…と思うのだが、日本に限らず中東やインド、中国といった歴史ある地域をも巻き込んだグローバルな企業に成長したソフトバンクであれば、こうした懸念は不要なのかもしれない。投資先を見ても、個々の成功はもちろんだが、それぞれがシナジー効果を表した時の影響力が非常に楽しみな企業ばかりだ。いかに医療技術が高まっても、300年先まで見届けることは無理そうではあるが、孫社長の目指す高邁な理想がどこまで実現されるのか、大変興味深い。