そしてIoTとネットワークによってもたらされるビッグデータが人工知能のさらなる進化をもたらすことを指摘し、PCを除く情報機器の90%以上のシェアを持つARMプロセッサーがIoT時代には1兆個にも達すること、そして全世界にLTE並みの速度と遅延の低軌道通信衛星網を構築しようとする「OneWeb」により、全世界のあらゆるものが繋がる世界が訪れ、やがて人工知能が人間の知性を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)が訪れ「超知性」が誕生すると予言した。
そしてこの「超知性」を搭載したロボットが誕生することにより、あらゆる産業が再定義される新たな世界が誕生すると指摘する。それは自動運転により実現する無事故の世界であったり、医療技術の発達により平均寿命が100歳、200歳を超える世界、そして単なる操り人形ではなく、自分で考え、判断するロボットと共生する世界だとした。
続いて孫社長は、ソフトバンクグループによる過去18年のインターネット起業に対する投資により、類型のリターン額は投資額の15倍、内部収益率(IRR)は44%に達したことを紹介。この中には20億円の投資が5兆円以上にもなったというアリババも含むが、ここで孫社長は全投資銘柄からトップ1~5位までをそれぞれ抜いてもトータルのIRRはほとんど変わらないことを示し、要するに金額の多寡はあれど、投資は全体的に成功していることをアピール。「もしかして投資の天才かもしれない」と会場を笑わせた。
そして近年のソフトバンクグループの標語としてよく登場する「情報革命を牽引し人類に最も貢献する企業へ」というフレーズが登場した後、情報化社会におけるジェントリとして先端技術の発展に貢献するべく、Softbank Vision Fundにおいて10兆円(930億ドル、1ドル=110円換算)を調達。これは2016年に世界中のグローバルベンチャーキャピタルで調達された7兆円という金額を、単独で1.6倍上回る規模だという。このファンドはサウジアラビアやアラブ首長国連邦アブダビ政府、アップル、クアルコムなど錚々たるグローバル投資家が参加しており、同じ情報革命のビジョンを抱く同志的結合のグループであると説明した。