Windows 10は「Windows as a Service(WaaS)」というビジョンを採用した。これはソフトウェア開発手法が、ウォーターフォール型からアジャイル型に移行する世界的な潮流に合わせたもの。このWaaSを実現するため、Microsoftは2017年2月に、Git(バージョン管理システム)上の操作を大幅に向上させる仮想ファイルシステム「GVFS(Git Virtual File System)」を発表し、Windows 10のソースコードをGitレポジトリに移行させている。
これまでMicrosoftは「ソースデポ」という社内ツールでソース管理を行ってきたが、350万ファイル、約300GBのソースコードをGit上で管理すると、チェックアウト操作だけで3時間近くかかっていた。この問題を解決するためGVFSを導入し、実用レベルに至ったという。マイクロソフト ディベロップメントによれば、約4,000人の開発者がWindows 10のコードに日々触れているそうだ。
この他にもメディアによるWindows 10最新情報として、柳谷智宣氏によるレポートや、筆者も先輩ライターの高橋敏也氏と登壇したが、この辺りは省略する。インサイダーによるLightning Talkも盛り上がりを見せ、「フィードバックHub」上で利用できる機械翻訳の強化を訴えるインサイダーや、Windows 10の後方互換性を試したレポート、OnDriveオンデマンド機能の実験を報告するインサイダーなど、多彩なセッションが行われた。
次回開催は未定だが、春日井氏は年内を目標に第3回を開催したいと語っていた。第1回、第2回とイベントを取材してきて感じるのは、Windows 10に対するユーザーの「熱量」である。Windows 95デビューから数えて20数年。広く利用されると同時に愛されるWindows 10の未来は明るい。
Lightning Talkの一部もご紹介しよう。Windows 10の後方互換性チェックとして、各Officeを実行。1994年リリースのWord 6.0/Excel 5.0までは32ビット版Windows 10が実装するNTVDMで動作したが、1982年リリースのDOSアプリケーション「Multiplan」は動作しなかった |
阿久津良和(Cactus)