ドローンライトショーを巡るいくつかの問題

日本でも今回のショーを皮切りに、今後本格的なドローンライトショーが広まっていくだろう、と結びたいところだが、いくつかの問題もある。

まず、人口集中地ではドローンを飛ばすこと自体が難しい点だ。日本ではレジャー施設やスタジアムなども比較的住宅の近くにあるケースがあり、こうした場所ではドローンを飛ばした時に事故が起きる可能性がある。

ハウステンボスの場合、私有地である上に飛ばすのは海上ということもあって、万が一の際にも事故が起きないという判断で実施するとのことで、こうした条件を満たせる場所はやや限られそうだ。

続いてがコストの問題だ。ドローンによるライトショーは数百機というドローンの数に加え、制御は一人でもできるとはいえ、ショーの実施するためには数多くのスタッフが必要だ。

トータルコストについて具体的な金額は公表されなかったが、ハウステンボスの澤田秀雄社長は「花火よりちょっと高い」と表現していた。ハウステンボスの花火大会は九州でも最大級の1万8000発(「夏一番花火大会」の場合)を打ち上げるが、1万発規模の花火大会で人件費を含めた費用が5000万~1億円程度と言われており、ライトショーの値段は少なくとも1億円以上はかかるとみられる。こうなると、実施できる期間は相当限られてしまう。

とはいえ、場所の問題は花火大会が実施できる場所であればクリアできるだろうし、コスト面もスポンサーをつけるなりすれば問題はない。こうしたエンタテインメントは回数を重ねて経験値をためることで安全性や確実度が高まり、コスト減にも繋がっていく。

日本で楽しめる最新エンタテインメントの一つとしてドローンライトショーを定着させるためにも、その嚆矢となるべく積極的に導入に動いたハウステンボスの英断を歓迎したい。