ヘリコバクター・ピロリの除菌は重要で、基本的には2種類の抗生物質、1種類の酸分泌抑制薬を併用することで除菌を試みる。最近は耐性菌も増えてきており、1回の除菌では成功しないケースも30%くらいあるという。こういった場合には、新たな抗菌剤を用いて除菌を試みる。
近年は治療の際、ある種類のヨーグルト(乳酸菌)を治療期間中に摂取させれば、除菌率が向上することも知られている。いずれも、耐性菌を生み出さぬよう中断せずにしっかりと治療することが重要となる。
「現在、『除菌後のヘリコバクター・ピロリの感染予防』といって、いろいろな食材の利用が叫ばれていますが、動物実験レベルでの効果をうたっているだけで、実際の臨床への適用がどれだけ効果的かはまだ明らかではありません。しかし近年、乳酸菌の一部にさまざまな疾病予防の効果、疾病の進行抑制、疾病の治療補助効果があることが知られています。ヘリコバクター・ピロリ感染においても例外でなく、乳酸菌には大きな期待が寄せられています」
胃もたれやキリキリした症状を「いつものこと」とせず、この機会に検査を受けてみるのもいいかもしれない。