――石垣さんもデカレンジャーのキャスト陣も、新人ではなく何年ものキャリアを積んでいる俳優さんですが、これによって演出方法が変わったりしましたか?
今放送している「スーパー戦隊」や「仮面ライダー」では、デビューしたばかりの人もいるので教えながら撮影をする必要があります。ですが『スペース・スクワッド』ではすでに出来上がったキャストで、それぞれがたくさんの経験を積んできていますので、そこはとてもやりやすかった。
そこで、あえてカットを細かく割って撮るのではなく、一連の流れをそのまま撮って、アングルを変えて何度も同じ動きを撮る……といったアメリカンスタイルで進めていました。相手の表現に対して微妙なリアクションを取る、表情の変化や繊細な表現を拾えたことはよかったですね。
――作中で、特に石垣さんらしさが色濃く出た、というシーンはありますか。
撃とデカレンジャーが絡む一連のシーンですね。石垣くんがデカレンジャーのことを本当によく研究していて、「ここはこういうセリフのほうが……」と、セリフを自分なりに変えてきたりしていました。また、彼が一番熱かったのは、大葉健二さん演じる初代ギャバン/一条寺烈との絡みでした。烈から撃へとギャバンの名を継承する、といった重要な場面もありますので、石垣くんと大葉さんは綿密に打ち合わせをしていましたね。僕としては、思いっきり良い芝居ができるような舞台を用意して、あとは2人にお任せ……というシーンでした。
――今回の敵マッドギャランの声を演じた春田純一さんは、80年代に『大戦隊ゴーグルV』(1982年)、『科学戦隊ダイナマン』(1983年)、『巨獣特捜ジャスピオン』(1985年)などさまざまな作品で活躍し、大葉健二さんと並んでJAC(現JAE)の大人気アクションスターでした。
大葉さんとは一緒にお仕事するのが初めてで、緊張しましたよ。大葉さんはとても優しい方で、しかも今でもアクションがバリバリに決まっていて、すごいなあと思いました。春田さんとは何度かご一緒する機会がありましたが、それでもいつも緊張します。チームは違っても同じアクション業界の先輩ですし、そもそも僕が少年時代に映画の舞台あいさつやテレビで見ていた方たちですからね。アフレコのときは、春田さんと大葉さんが一緒にいて、JAC時代の思い出話をされていたんですよ。それを聞くだけでも感激してしまいました。