――『スペース・スクワッド』で坂本監督が目指した方向性とは、どんなものだったのでしょうか。
『シャリバン/シャイダー NEXT GENERATION』のエッセンスを生かし、ハイターゲットの年齢層を狙えるようなドラマ性を盛り込みました。『デカレンジャー 10YEARS AFTER』は10年前の『デカレンジャー』を再現しているのが特色でしたが、僕が『デカレンジャー』をやるにあたって何ができるだろうと考え、従来の「スーパー戦隊」ではあまりないような、大人な雰囲気のポリスアクションを入れ込んでみようとしたんです。年月を経た、今のデカレンジャーだからこそできるドラマがありますからね。これが、今回の僕なりのチャレンジです。
――宇宙刑事が属する「銀河連邦警察」と、デカレンジャーが属する「宇宙警察」という2つの組織がそれぞれの背景にあり、2作品の世界観をどのように融合させるのかという問題もあったのではないでしょうか。
塚田さんのアイデアで、そのあたりの問題もクリアしています。銀河連邦警察は宇宙警察の中でも大規模な組織犯罪を扱う機関として独立していて、地球署のデカレンジャーとは同じ警察であってもポジションが違うわけです。立場の異なる両者が同じ犯罪を追う姿をどう転がしていくか。これを刑事ドラマ風に描きあげるのが、本作品の醍醐味といえるでしょう。
――銀河連邦警察では『NEXT GENERATION』のゴードン長官から、新任のソフィ長官に代わりました。『宇宙刑事ギャバン』(1982年)から始まる宇宙刑事シリーズの歴史でも、女性長官は初めてですね。
『NEXT GENERATION』では警察内部の腐敗・汚職がありましたが、今回は宇宙刑事のバックボーンである銀河連邦警察は正義然として存在する方向に持っていきたかった。それで新たにソフィ長官に来てもらったわけです。ソフィを演じた遊井亮子さんはとてもよかったですね。長官として堅苦しく振る舞うだけでなく、オンとオフの切り替えがしっかりしていて。
――物語を進める本作の主人公・ギャバンtype-G/十文字撃を演じた石垣佑磨さんの印象をお聞かせください。
熱い男です。撮影に入る前からいろいろと役や内容について話し合ったりしていますし、撮影中でも「こんな芝居はどうですか」と提案してくるんです。お互いをリスペクトし合っていて、2人で意見交換しながら作品内容を良いものにしていこうという姿勢が貫かれていましたね。同じ体育会系の人間ですし(笑)、現場の熱いノリを共有して、アクションシーンになるとアドレナリンが出て興奮してくるんです。本当に楽しい現場でした。