撮影後、これは散々な作例になりそうだと半ば覚悟を決めていたのだが……。実際の撮影結果を見ると、それらの影響が意外なほど抑えられていたのだ。このコンパクトさと価格からは想像できないほどに。
本レンズが属する「Contemporary」ラインは、「最新のテクノロジーを投入、高い光学性能とコンパクトネスの両立で幅広い撮影シーンに対応するハイパフォーマンスライン」と、シグマでは位置付けている。
同社の特殊低分散ガラスSLD(Special Low Dispersion)×4枚を採用し、レンズパワー配置の最適化とあわせて収差を補正。特に、望遠側で目立つ倍率色収差を重点的に補正しているという。この効果は抜群で、筆者が撮影した写真にも、色収差はまったくといっていいほど見られなかった。背景が空、しかも逆光や機体の反射光という厳しい条件が重なっているにも関わらずだ。
1/320秒 f/14 400mm ISO400 |
ちなみに、(背景が空のみの今回の撮影ではあまり関係ないが)絞り羽根は9枚の円形絞りで、解放では円形のボケを楽しめる。マウント基部が簡易ながら防塵防滴構造となっているのも嬉しいポイントだ。この画質へのこだわりと作りの良さが、本レンズのコストパフォーマンスの良さを特に際立たせているといっていいだろう。なるほど、その人気ぶりも頷ける。