撮影後、これは散々な作例になりそうだと半ば覚悟を決めていたのだが……。実際の撮影結果を見ると、それらの影響が意外なほど抑えられていたのだ。このコンパクトさと価格からは想像できないほどに。

本レンズが属する「Contemporary」ラインは、「最新のテクノロジーを投入、高い光学性能とコンパクトネスの両立で幅広い撮影シーンに対応するハイパフォーマンスライン」と、シグマでは位置付けている。

同社の特殊低分散ガラスSLD(Special Low Dispersion)×4枚を採用し、レンズパワー配置の最適化とあわせて収差を補正。特に、望遠側で目立つ倍率色収差を重点的に補正しているという。この効果は抜群で、筆者が撮影した写真にも、色収差はまったくといっていいほど見られなかった。背景が空、しかも逆光や機体の反射光という厳しい条件が重なっているにも関わらずだ。

1/500秒 f/5.6 100mm ISO125
レッドブルエアレース 2017シリーズで公式タイムキーパーを務める「ハミルトン」のタイムボード

1/320秒 f/14 400mm ISO400
レッドブルエアレースの魅力はレースだけに留まらない。自衛隊や消防局、スポーツチームのデモンストレーション、アーティストのライブコンサートなども楽しめるのだ

1/400秒 f/14 400mm ISO400
地元千葉市消防局のレスキューヘリ「おおとり」。当日は2機で飛来、水難救助のデモンストレーションを行った

1/800秒 f/11 400mm ISO320
ブライトリング主催によるワールドツアーイベント中のダグラスDC-3が会場上空を飛行。その姿は優雅のひとこと

ちなみに、(背景が空のみの今回の撮影ではあまり関係ないが)絞り羽根は9枚の円形絞りで、解放では円形のボケを楽しめる。マウント基部が簡易ながら防塵防滴構造となっているのも嬉しいポイントだ。この画質へのこだわりと作りの良さが、本レンズのコストパフォーマンスの良さを特に際立たせているといっていいだろう。なるほど、その人気ぶりも頷ける。

マウント基部は簡易防塵防滴構造