インターンシップと就職・採用活動との関係

「インターンシップと就職・採用活動との関係」

昨今の就職・採用活動においては、主に、学生の学期期間が終了し広報活動が開始される前の2月に、インターンシップと称した短期間(主に1日)でのプログラムが実施されているが、実質的な就業体験を伴っておらず企業の業務説明の場となっているものが少なからずあるという実態が指摘されている。

これにより、広報活動との区別が曖昧になり、就職や採用活動の早期化・長期化が懸念される状況にあるが、こういった状況やそれによる学修環境への影響を考慮して、企業がインターンシップで取得した学生情報の取扱いについては、原則として広報活動や採用選考活動に使用することができないとされている。

ここで、インターンシップと就職との関係の実態を見てみると、学生の49.9%がインターン先から「プレエントリーを勧められた」と回答しており、また、22.2%が「インターン先から内定を取得」している。

企業等でのインターン参加学生の採用広報活動上の取り扱いについては、半数弱が「一切行っていない」(28.3%)か「解禁後に案内」(14.9%)と回答。採用選考上の取り扱いについては、52.4%が「一切行っていない」としている。

大学等のインターンシップ実施目的では、「仕事理解の促進」(91.3%)、「業種理解の促進」(85.9%)、「学生自身のキャリア観の明確化」(84.3%)が8~9割であるのに対し、「就職実績の向上」は25.4%と低かった。

同会議では、「就職・採用活動の早期化・長期化につながるようなことは避けるべきであり、現在の就職・採用活動時期の設定がなされている下では、インターンシップが就職・採用活動そのものとして行われることのないようにするという現在の取扱いは維持しなければならないと考える。今後、インターンシップと就職・採用活動との関係については、学生の学修環境を確保することを前提としたうえで、幅広い観点から関係者間で中期的課題として検討していくべきである」という考えを示している。

また、最後に、「インターンシップにおける主役は学生である。個々の利益を優先するのではなく、広い見地から、将来の我が国を担う若者を育成するために、大学等と産業界の双方が協働しあう観点を持って、今後もインターンシップの更なる推進に向けて検討を重ね、実効性のある取組を持続的に実施していくことが重要であると考える」としている。