LINEは6月15日、「LINEショッピング」を公開し、ショッピングポータル事業に参入した。ネットショッピング事業で先行するAmazonやYahoo! ショッピングなどに対する強みはどのようなところだろうか。
ライバルすら取り込むショッピングポータル
LINEショッピングはLINEアプリ内から直接アクセスできるショッピングポータルだ(PC用のウェブサイトも用意されている)。スポーツ・インテリア・家電・コスメといったジャンルの、100を超える企業/ブランドへのリンクがあり、LINE内部で商品名に対する検索が可能なほか、ジャンルや店名での絞り込みも可能だ。
まだLINEアプリ内部にタブは作られていないが、LINEショッピングに関するバナーなどでアクセスは容易だ |
ネットショッピングモールが対象になっているのはかなり意外。名前と裏腹に、完全にポイント付与だけに絞り込んだからできることだろう |
ユーザーがLINEショッピングを通じてアクセスした先のブランドで買い物をすると、購入金額の最大20%をLINEポイントとして受け取れる。このポイントは1ポイントを1円としてLINE PAYや、スタンプ購入のためのLINEコインに交換できる。ポイントの還元率はブランドによって異なるが、現在のところキャンペーン対象となっているアパレル系が15%と大きめの数字がついているものの、その他の業種では1~3%程度のところが多いようだ。
一方、LINEショッピングではLINEが提供するのはポータルのみであり、決済機能などはまったく提供しない。この点、ショッピングモールというよりは、商品紹介やポイント交換サイト的なポータルということになる。商品の購入等は各ブランドのウェブサイトにジャンプして行うため、ブランドは自社サイトの中で、ブランドごとの世界観や体験を顧客に提供することができる。また、各ブランド内で独自のポイントカードなども展開しやすい。
驚いたのは、ライバルであるはずのYahoo!ショッピングや楽天市場すらもがショッピング可能なブランドに入っていることだ。さすがにポイント還元率は1%程度と低いが、LINEショッピングを通じてこれらのモールで購入すれば、それぞれのモールのポイントとLINEポイントが両方手に入る計算になる。これはポイント好きなユーザーにとってはかなり注目すべきポイントになるだろう。