消費者庁はこのほど、「平成29年(2017年)版消費者白書」を公開した。この中で同庁は、特集のテーマとして「若者の消費」に焦点を当て、若者の消費の動向やトラブル、施策についてまとめている。なお、同白書における「若者」とは、主に10歳代後半~20歳代までを指している。

若者の消費支出

「将来への希望」

内閣府が実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2013年度)によれば、将来への希望について「希望がある」または「どちらかといえば希望がある」と回答した日本の若者(13~29歳)の割合は、世界6カ国(米国91.1%、韓国86.4%など)に比べて61.6%と際立って低く、日本の若者の将来への不安が強いことを示している。

「転身世帯の1か月当たり消費支出の推移」

また、総務省「全国消費実態調査」における30歳未満の単身世帯のデータを用いて、1999年~2014年までの若者個人の消費支出の推移を性別にみると、男性は14.4%、女性では4.2%減少しており、男性の消費支出の減少がより顕著となっていることが分かる。

費目別では、男性は「交通・通信費」(-1万4,239円)、「食料費」(-1万2,075円)が減少しているほか、「教養娯楽費」(-6,996円)や「被服及び履物費」(-3,763円)等も減少。一方、女性については、「被服及び履物費」(-7,576円)や「食料費」(-7,372円)が減少傾向となっている。

「1 か月当たり品目別平均支出額(通信費)」

男性の消費で大きく減少傾向にある「通信費」について詳しくみると、30歳未満の単身世帯における2004年~2014年の通信費の推移は、ほぼ横ばいの状況に。しかしながら、内訳をみると、次のようになる。