――メイクや衣装の準備にも時間が掛かりそうですね。

毎回、2時間くらいかかっています(笑)。いちばん時間がかかるのが髪のセットで、半分地毛で半分かつら。それを整えていただいています。その間は、台本を確認したりしています。

――役名がご自身と同じ「小春」。なんだか運命的なものを感じますよね。

私の出演が決まる前から、台本上でも「小春」だったそうで、すごい偶然ですよね。スタッフさんの現場での紹介も、「小春役の久住小春さん」でした(笑)。

――お名前の由来は?

「小春日和」から取って、姉が「日和」で、私が「小春」です。実は、あまり好きな名前ではなかったんですけど、この業界に入って印象が変わりました。なかなか、他の人と被らないんですよ。「久住」も珍しい名字ですよね。この業界では、「被らない」ことが大事だと思いますので、それはありがたいなと思います。

「女優の道」を選んだ理由

――前の事務所を辞められて、フリーを経て現在の事務所に。その最初の仕事が『女囚セブン』だと思いますが、演技に力を入れていきたいという思いが強いんですか?

そうですね。お芝居をメインに、がんばっていきたいと思っています。女優というお仕事はこれから知っていく部分の方が多いと思うんですけど、「自分じゃない自分になる」という印象です。アイドルは自分自身として人前に出る。女優は「自分じゃない人」を追求していく仕事なんだろうなと思っています。

――以前からその願望が強かったんですか?

小さい頃から、ドラマが大好きで。憧れていたんですけど、「私なんか無理」という諦めの気持ちもあって、実際に自分がやっていくのはなかなか想像できませんでした。芸能活動をはじめて、アイドル、モデル、そして声優のお仕事もやらせていただきました。

「声で演じる」という部分はお芝居につながるものもあるんじゃないかな……と、声優のお仕事を通じて感じました。そうやって演技というものに触れることができて、そこからドラマ、舞台をいくつかやらせていただきました。基礎を学んで、やりたいと思っていたお芝居が現実的になっていって。「その世界に入りたい」という思いが強くなりました。

――なるほど。ブログでも小さい頃からドラマを見ていたと書かれていましたね。

中でも、『ラブジェネレーション』(97年・フジテレビ系)が大好きです。定期的に観て、この世界に入りたいなぁって(笑)。ストーリーとか、展開とか全部分かっているのに、何度も繰り返し観てしまいます。20年も前の作品なのに、今でも好きな作品として多くの人の心をつかんでいるのはすごいですよね。いつまでも思い出してもらえる作品って、すてきだなと思います。

地元・新潟の仕事は特別「安心感がある」

――3月31日に、1年続いた新潟放送のラジオ番組『久住小春のMEDIASHIP927』が終わりました。小学校5・6年の担任の先生がサプライズで来たそうですね。

私の地元・新潟の小学校で、いちばん好きな先生でした。ライブにも来てくださった先生なんですよ。先生の連絡先は知らなくて、連絡を取ることもなかったんですが、先生はテレビとかを見て、ずっと応援してくださっていたみたいです。12年ぶりの再会なので、久々すぎて何を話していいのか分からなくて(笑)。本当にびっくりしました。

――地元での仕事は、都内の仕事と比べて気持ちの違いはあるんですか?

やっぱり地元の安心感があります。それから、ついでに実家にも帰ることができる(笑)。同郷で応援して下さる方も多くて、地元で私が出ると喜んで下さるので、それは私にとってもすごくうれしいことです。生放送の公開収録で、金曜13時からの平日だったんですが、いろいろなところから観に来ていただきました。

――アイドル時代はファンとの距離も近かったと思います。そういう意味では貴重な機会、番組だったのでは?

たしかにそうですね。新潟出身じゃないのに来てくださった方もいて、本当にありがたかったです。インスタでもたくさんのメッセージをくれて、いつも支えられてると感じます。

――ブログにはお父さんの写真もアップされていましたね。とても男前な印象だったのですが、仕事について話したりしますか。

仕事については、あまり話さないです。でも、実家に帰った時はたまに? 内容はその時によって全然違いますが、『女囚セブン』に出ることは、私が伝える前にすでに知っていました。たぶん、ニュースとかで見たんですかね? あと、ブログもいつも見てくれています。