差別化のための手段が必要

今回の勉強会にはOCNモバイルONE、mineo、イオンモバイル、LINEモバイルという、MVNOの契約数や満足度で上位を占める各社の各担当者も参加していたが、いずれも対人販売拠点を設置して直接顧客に情報を伝えたり、サポートできる体制を整えるという点については、各社かなり力を入れてきたという。また、MVNOによるテレビCMもかなり増えて来ており、認知度もかなり上がってきている。

知名度の低さやサポート体制の弱さ、顧客に対するタッチポイントの少なさは2~3年前のMVNOの弱点とされてきた項目だけに、各社ともしっかり対策しており、それが契約数や満足度という形で現れているわけだ。素晴らしい優等生ぶりだが、それだけに各社の特徴が似てきてしまっており、逆に没個性だ、という感想も受けた。

MVNOが600社近く存在するようになり、MNOキャリアもサブブランドなどを通じてMVNOとの競争に向かっている。こうした厳しい環境の中で生存競争を生き抜いていくためには、もっと大きな差別化のための特徴を持つ必要がある。莫大な資本を背景に、大量のテレビCM攻勢や全国に数千件というショップの展開など、MNOと同じ方策を続けていては、結局量的にも質的にも敵わないのは明白だからだ。

この点は各社ともすでに問題を認識しており、今後は各社のスタイルにあったかたちでの展開を考えているようだ。それでは、MVNO各社は低料金やサポート体制以外に、どんな部分で差別化を図っていけばいいのだろうか。

1つめは独自の経済圏に囲い込んでしまうことだ。